韓国と中国の「犬を食べる文化」は悪なのか

犬肉料理を振る舞う地域を実際に回ってみた

動物を育て、精肉し、料理して食べさせることは、悪ではないだろう。それが悪だというなら、食肉業界全部が悪だ。そんな馬鹿な話はない。

中国・玉林市の「犬肉祭り」

最後に2017年の6月、近年“犬肉祭り”が行われるとしてバッシングされている、中国の玉林(ユーリン)市に向かった。犬肉祭りは夏至に開催される。それに合わせて現地入りした。

玉林市は中国の南部にある地域だ。緯度は沖縄より南、台湾と同じくらいの場所になる。かなり暑い地域だ。

日本からの直行便はない。上海で乗り換えてまずは桂林(ケイリン)市へ行く。桂林市は観光地として有名な地区だが、実はここでも犬肉料理を食べる。玉林市とは違い、冬の寒い時期に食べることが多いらしい。

桂林市から高速鉄道(日本でいう新幹線)に乗って玉林市に向かう。

玉林市は広西チワン族自治区という少数民族の現住地の1つだ。少数民族といっても、玉林市の人口は500万人を超える大都市だ。

市場(筆者撮影)

ガイドと共に市場に向かった。かなり大きい市場で、キツく動物の臭いがする。市場の中では解体した豚が板の上に並べられ販売されている。市場の外には、ナマズなどの魚(内陸部なので海魚はあまりない)、ニワトリ、アヒル、ハト、などが売られている。

聞けば、鳥インフルエンザが出て先日までは、鳥の生体販売は禁止されていたらしい。「やっと解禁されてよかったよ」と市場のおばちゃんは言っていた。

しかし、肝心の犬は売られていなかった。

「中国政府から禁止されたんだよ。生体販売はもうするなとお達しがきた」

とうんざりした顔で言われた。中国南部は基本的にアジアらしいゆるい雰囲気なのだが、中国政府が出てくるとピリッとした空気になるようだ。

市場内には犬はいなかったが、市場の外では犬肉の屋台が出ていたので、取材を打診した。すると調理をしているおばちゃんが肉切り包丁を振り上げて

「いい加減にしろ!!」

といきなり怒鳴ってきたので、驚いてしまった。切りかかってくる勢いだった。ほうほうの体で離れる。

その後も、犬肉の屋台全般に取材は断られてしまった。現地のガイドに話を聞くと、

「インターネットのニュースでのバッシングがかなり効いていますね。今年も西洋人がやってきて動画を配信しています。ケンカを売ってくる西洋人もいるからピリピリしているんでしょうね。そろそろ中国政府が犬肉を販売するのを全面中止にするのではないか? と心配しています」

と言われた。

確かに街を歩いていると、スマートフォンを片手に中継をしている西洋人が何人もいた。犬肉文化をバッシングしているのだろう、ホテルのロビーで大声を出している人もいた。なんだか彼らの攻撃的な表情は僕を含めたアジア人全体を馬鹿にしているように感じた。

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