韓国と中国の「犬を食べる文化」は悪なのか

犬肉料理を振る舞う地域を実際に回ってみた

オリの前には犬肉が商品として並べられている(筆者撮影)

犬たちはモラン市場と同じく、狭いオリの中に閉じ込められていた。犬はお店によって犬種が違っていた。洋風の犬もいた。

残酷なことに、犬たちのオリの前にバラバラになった犬肉が商品として並べられている。犬は鼻が良い。目の間に並べられているのが仲間だと気づくんじゃないかと思い、胸がいたんだ。これは、さすがにデリカシーがないなと思った。

この商店街にも犬肉を食べられる食堂が並んでいる。店の前を通っていると、赤いエプロンをつけた女性が近づいてきた。満面の笑みで、親指を上に突き上げている。

「犬肉を食べたら精力がアップするよ」

と言っている。韓国や中国では、犬肉を食べると精力が上がるといわれている。これは単純に体力が向上するという意味もあるし、性的に強くなるという意味もある。

犬肉の蒸し料理を注文

店内に入ると、精力を求めているのか初老の男性たちがたくさんいた。今回は、ポシンタンではなく、犬肉の蒸し料理を注文した。

犬の蒸し焼き(筆者撮影)

スライスした肉を、蒸し鍋で蒸すだけという極めて単純な料理だ。2000円とポシンタンよりも値段が張った。肉の量が多いからだろう。単純な料理だけに、肉の香りがより強烈だった。コリッと脂身の質感も、あまり経験したことがなくなかなか食が進まなかった。

しかし通には、むしろこの臭いや質感がたまらないらしい。

「がんばって全部食べると精力アップするよ」

と給仕のお姉さんに何度も言われた。頑張って完食したが、何度犬肉を食べても精力がアップしたという自覚はなかった。犬を食べて精力がつくというのは、思い込みの部分が大きいのではないだろうか?

クポ市場(筆者撮影)

このクポ市場も2017年に閉鎖されることが決まった。動物愛護団体などの閉鎖要求に応える形だ。足を縛られた犬が引きずられる動画がウェブ上で拡散して、反対運動に火がついたという。

もちろん家畜に対する虐待行為はダメだが、だからといって“虐待行為”があったから全面的に“犬食はダメ”というのも飛躍している気がする。アメリカなどでは豚などの家畜を虐待する動画が流れることがたびたびあるが、だからといって“豚肉を食べるのはやめよう”とはならない。飽くまで“家畜を虐待するのをやめよう”が正しい反応だ。

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