自覚していない強みに気づくには、やはり自己分析が有効です。そのときに気を付けることは2つ。1つは「自分の強みは何か」と直接的に考えすぎないこと。そしてもう1つは「大学時代」にこだわりすぎないことです。
大学時代は人生のほんの一部に過ぎません。小学校、中学校、高校、大学時代などすべてを振り返って、「何をしている時間が長かったか」「どんなことが楽しかったか」「ワクワクしたこと」などを思い出してみましょう。それらをピックアップし、「なぜそれに時間をかけたのか」「なぜそれがワクワクしたのか」ということを解きほぐしていけば、強みや適性のヒントが見つかるはずです。
たとえばわれわれの部署で、かつて担当した学生の中に、就活の途中で自分の強みがわからなくなり、活動を中断した人がいました。少しずつ話を聞いていくうちに、彼が小学生のころ、歴史上のある人物を取り上げた本を何冊か読み、そこに書かれている共通点から人物像を推測するのが楽しみだったということがわかりました。
そこから戦国武将のシミュレーションゲームに興味を持ち、武将の立場になって戦略を立てるのが得意になったといいます。さらに、中学・高校時代に所属していた運動部では、自分のチームと相手チームを細かく分析したうえで、綿密な作戦を考えていたという話をしてくれました。
楽しかった思い出から探してみる
これらのエピソードから、「戦略を立てる」や「仕組みを考える」といった、その人の強みが見えてきます。また、「こだわりが強い」や「1つのことを集中してやり切る」という本人の性質も、垣間見えてきました。こうした話から、何か専門領域があったほうが、そうした強みを生かせるのではないかと考え、それを生かせる求人として、IT企業の技術職を提案することにしました。
すると、自分でも「それならやれるかもしれない」という前向きな気持ちが芽生えてきたのか、実際に面接でも自信を持って話すことができ、IT系企業の技術職への就職に至りました。
このように、周りの人が驚くような強みやエピソードを持っている人は、とても多くいます。それなのに、「今までほめられてこなかった」「周囲とのコミュニケーションがうまくいっていない」といった理由から、自分に自信が持てなくなり、強みを見出せていない人が少なくありません。
自分に自信を持つことは、今後の人生においても大事です。だからこそ、「自分は強みなんてない」と思わず、必ずあると考えて、見つけてほしいのです。
われわれの部署では、専門のキャリアアドバイザーを置き、こうした強みを発見できるようにサポートしています。強みを見つけるのが難しいと感じたなら、大学のキャリアセンターや、われわれのような就職エージェントなどを利用するのも手でしょう。こうしたサービスは学生の利用に関してはほとんどが無料です。
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