ネット通販の「包装箱」が見る華麗な進化の夢

老舗の包装企業はEC拡大を商機に変えるか?

こうした旺盛なEC向け包装箱需要を追い風に、業績も2期連続で過去最高の純利益を更新する見込みなど絶好調だ。

紙加工品全体の売り上げ内訳では、紙袋がまだトップだが、紙器、段ボールのEC向け包装箱が紙袋に迫る勢い。

商品のパッケージが劇的に変化するのはビジネスチャンスにほかならない。ようやくEC向け包装箱の“進化”に着手しようとしている。それが2016年後半から手掛ける「美粧包装箱」(美粧性のある包装箱)への取り組みである。

ターゲットはアパレル企業

ザ・パックが2016年後半から販売に着手している「美粧包装箱」。アパレル業界などをターゲットに顧客の開拓を進める狙いだ(写真:ザ・パック)

紙袋については、リアル店舗の百貨店、専門店、あるいは各社の各ブランドなどの「歩く広告」といわれるほど意匠性が高く、デザインの粋が施されている。

しかし、ECなどバーチャル店舗から各家庭に送られてくる包装箱は無味乾燥な茶色というか、段ボールそのもので無機質なものでしかない。

「無機質なだけの包装箱を楽しいモノに変える。デザインや色彩などを施した意匠性のあるパッケージに進化させる。お客が配送されてきた商品を受け取る喜び、パッケージを開けたときの喜びを演出したい。紙袋で培ったノウハウを包装箱に注ぐことで、美粧性のある包装箱は“届ける広告”だということも顧客に提案していく」(藤井道久・取締役管理本部長)

ザ・パックが取引している顧客は1万4000社に上るが、「美粧包装箱」で特に狙っているのがアパレル各社だ。空前のアパレル不況の中、実店舗の統廃合に追い込まれていても、ECは拡大傾向にある。

「美粧性のある包装箱ももちろんのことだが、包装箱はすべて顧客向けのカスタムメードで一品一品異なるものとして、顧客に提案している。百貨店などの紙袋が家庭で2次利用されているように、家庭に届いた美粧性のある包装箱が当たり前に2次利用されるぐらいに意匠性を高めたい」(藤井取締役管理本部長)

ザ・パックが狙いを定めているのが首都圏市場の深掘りだ。ザ・パックの売り上げ内訳は、東日本59%・西日本41%(2010年東日本52%・西日本48%)だが、中期で東日本70%・西日本30%にするとしている。東京工場拡充も着実に進行させており、生産能力倍増がすでに完了している。

首都圏市場の深掘りでツールの1つとなるのが、「美粧包装箱」。まだ始まったばかりだが、2~3年先には包装箱といえば、無味乾燥な茶色ではなく、カラーやデザインの施された意匠が高いものが当たり前になっているかもしれない。

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