物流の巨人「佐川急便」が上場後に描く青写真 提携する日立物流との経営統合は実現するか

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SGホールディングスの町田公志社長は「強みの企業間物流に付加価値をつけ伸ばしていく」と話す(撮影:梅谷秀司)

宅配業界2位の佐川急便を中核とするSGホールディングス(HD)は12月13日、創業60周年の節目に、東京証券取引所第1部への上場を果たした。町田公志社長は「アジアを代表する総合物流企業を目指し、より優秀な人材を引き付けたい」と語った。

初値は1900円と、公開価格の1620円を17%上回った。初値に基づく時価総額は6083億円。今年上場した銘柄としては最大となる。野村証券の広兼賢治アナリストは「これまで進めてきた宅配便の値上げが投資家に評価されたのでは」と分析する。

アマゾンとの取引を大幅に縮小

佐川は営業所の数がヤマト運輸の1割に過ぎず、宅配便の配達を外部の運送会社に委託するケースが多い。荷物が増えれば増えるほど費用が膨らむ構造だ。5年前には個数が増えても単価が下がる悪循環に陥った。

そこで2013年度から宅配便では数を追わず、採算重視に転換。アマゾンとの取引を大幅に縮小し、法人向け運賃にはコストをより的確に反映させるようにした。収益は急速に伸び、2017年度の営業利益は過去最高の580億円(前期比17%増)を見込む。

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