ライフネットの「がん保険」が物足りない理由 あのゴールドマン出身者が考案した新商品
こうした保険料の設定には、「若者の保険料は安いが中高年はネットなのにさほど安くない」という死亡保険や医療保険でライフネットについたレッテルを払拭したい狙いも見え隠れする。
治療サポート給付金は治療を受けた月に10万円を支給する。回数は無制限で、月内に何度治療を受けても月10万円。治療を一度も受けない月は支給されない。
収入サポート給付金は診断一時金の半額を年1回、最大5回まで受け取れるのだという。たとえば診断一時金が200万円だと毎年100万円を5回、一時金と合計で最大700万円が給付される。
「診断一時金なし」という手もありえた
『週刊東洋経済』は1月15日発売号で「保険に騙されるな」を特集。保険をめぐるさまざまな問題を追っている。そこでも詳しく解説しているが、がんの治療が1年以内で終わるのであれば、日本には高額療養費制度がある。一般的な年収の人が抗がん剤を主体として健康保険の適用される通常の治療を受けるのならば、年間治療費はせいぜい50万円程度で済む。つまり1年以内で治療が終わる場合、100万円の診断一時金では半分は使わないことになる。
がんで本当に困るのは、1年以上もだらだらと続く治療の場合だ。たとえば思い切って診断一時金をなくし、治療2年目以降の収入保障のみとし、保険料を一段と下げれば画期的ながん保険になったにちがいない。
長浜バイオ大学の永田宏教授は「『がんと診断されたら100万円』などと明確に書いてないと、(顧客へのアピール度が弱いために)日本では売れない可能性がある」と指摘する。
しかし、創業者の出口氏は創業時に保険に革命を起こすことを目指していた。ライフネットはあえて「診断一時金なし」のがん保険に挑戦する手もあったかもしれない。営業本部長の森氏には、商品改定のタイミングでぜひ「診断一時金なし」のプランを追加し、がん保険に新しい流れを作ってほしいものだ。
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