邦画も作るワーナー映画の神髄とは  ウィリアム・アイアトン日本法人社長に聞く

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――そのときは渡辺謙さんが主演に決まっていたのですか?

そういう話はありました。だから渡辺さんとイーストウッドさんとのつながりという面も大きかったと思います。

(C)2013 Warner Entertainment Japan Inc.

アカデミー賞作品をどうアレンジするか

――イーストウッドさんのオリジナル版はアカデミー作品賞を受賞した傑作です。日本での映画化という話がきて、プレッシャーなどはなかったのでしょうか?

今年、ワーナーは90周年を迎えました。その歴史の中で5000本以上もの長編映画を作ってきている。そのうちアカデミー作品賞を取ったのはわずか18。そのうちの1本ですからね。ワーナーにとってはたいへんなクラウンジュエル(宝石)です。もちろん『フラガール』や『悪人』などで李さんの仕事ぶりも知っていますし、李さんだからこそ安心して任せられると思いました。ただし本社からは「大事に扱ってくれないと困るぞ」とは言われましたけどね。

――本社の方は日本版をご覧になられたのでしょうか?

ヴェネツィア国際映画祭で観てもらいましたが、皆さん圧倒されていましたよ。すばらしい作品ができて私もハッピーな思いです。

――アイアトン社長のご感想は?

私自身は昭和の青年ですから、西部劇が大好きなんです。ジョン・ウェイン、バート・ランカスターなんかも好きでしたね。しかしオリジナル版の『許されざる者』はそれまでの西部劇と違っていたのでビックリしました。そのアカデミー作品賞を取って世界的評価も高かった作品を、李さんはさすがいい素材を見つけてきたなと思いました。日本版は、ストーリーこそ変わりませんが、設定をうまく置き換えたりして、とてもクオリティが高いものができたと思います。

――北海道上川郡上川町に、巨大なオープンセットを作って撮影されたそうですが。

最初はロシアやアラスカで撮ろうなんて話もあったものですから、予算が大変だなと思っていました(笑)。結局は北海道で撮影をすることになったのですが、北海道といっても、旭川からさらに2時間くらいかかる距離。スタッフ・キャストの移動も大変でした。さらに寒さも大変でした。

――李相日監督といえば、“粘る”監督としても有名です。本作でも、関係者から口々に李監督が粘ったというエピソードがあったと伺っていますが、そういった面で撮影日数や予算との兼ね合いはどうだったのですか?

日数的にはほとんどオーバーしていないです。もちろん李さんはこだわる方だとは聞いていましたが、ただそれはプロとして当たり前のことですから。われわれとしてはありがたい話だし、こだわっていただいてよかったなと思います。

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