ロシアは大胆な軍事行動を起こしかねない 政府内で軍の発言力が高まっている
[モスクワ 13日 ロイター] - ロシアのショイグ国防相は、ダマスカスからドーハに至る、思いもよらない場所にその姿を現している。プーチン大統領の下で軍の影響力が強まっている兆候と言えるだろう。
ここ数カ月、時に砂漠用の迷彩を施した軍服を身にまとったジョイグ国防相は、ダマスカスではシリア大統領と協議し、エルサレムではイスラエル首相に会い、ドーハではカタール首長の歓迎を受けた。
長く外務省の縄張りと思われていた分野に国防相が踏み込んでいることは、ロシア国内でも驚かれている。厳しい外交儀礼に基づけば、閣僚は直接のカウンターパートとのみ協議するのが普通だからだ。
ロシア外交官の一部には不満も
ウクライナでは、2014年にロシア非正規部隊による掌握を経てクリミア半島を併合し、シリアではロシア軍の支援により戦況が変化し、アサド大統領側が優勢となっている。こうしたロシア政府が大きな成功とみなす状況から、軍は政治的な配当を受け取っている。
「トップレベルでの(軍の)影響力が増すことになった」とロシアのベテラン当局者は語る。国防省とも接触しているが、メディア向けに語る権限を持っていないとして、この当局者は匿名を希望した。
ロシア政府、国防省、外務省からのコメントは得られなかった。ただし国防省・外務省双方を知る関係筋3人は、こうした傾向が見られることを認めている。
軍の影響力増大に伴い、ロシア外交官の一部は不満を示しており、また西側当局者のあいだでも、ロシアの外交政策に強硬な側面が生じているという懸念を呼んでいる。