私のサービス論 「期待を超えるサービスがブランドを高める」

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私のサービス論 「期待を超えるサービスがブランドを高める」

サービスがサービス産業の専売特許であったのははるか昔の話。今やサービスは、あらゆる産業にとって最優先課題になっている。日本の名だたる企業のトップたちは、「サービス」をどう定義し、具体的にどのようなサービスを実践しているのか?各社のトップに聞いた。
(『週刊東洋経済8月11日・18日合併号の特別版』)

Q.御社にとって、「サービス」とは何ですか?

 メーカーにとってのサービスは、実行する段階により、ビフォアサービスとアフターサービスに分けられています。ビフォアサービスでは、お客様に対して製品購入前の選択や裾付けなどに関する支援を行っています。アフターサービスでは、購入後の製品を末永くご愛用いただけるよう、ユーザーに対し、修理や消耗品の供給などを行っています。いずれのサービスにおいても、お客様の期待に応える、さらには期待を超えるサービスの実施が、当社のブランドイメージを高め、製品の魅力を増す結果につながると認識しています。

Q.御社のサービスの具体例を教えてください。

 たとえば、以下の4点が挙げられます。

(1)お客様がWEBを活用し、当社の製品情報、取扱説明書等を容易に入手できるようにしています。

(2)お客様が使用目的にあった製品を選択できるよう、カタログ等を整備し的確な情報を提供しています。

(3)お客様からの電話等による買い物相談や使い方相談に応対する専門の「お客様相談センター」を運営しています。

(4)ユーザーが使用中のトラブルを最小限に止めるために、迅速・確実な出張修理や持ち込み修理を実施しています。また、持込修理においては即日修理サービスも一部実施しています。

Q.サービスを定着・向上させるために、どのような取り組みを行っていますか?
 
 サービスを含めたCSの視点から専門組織(CS推進本部)を設置し、CSの向上・確信のための全社指針明示・指導を行うとともに、サービスを定着させるために、以下の取り組みを進めています。

・成果指標の設定:たとえば、電話のつながりやすさ=「受信率」、迅速に訪問する=「翌日以内訪問率」、一度の修理で完了する=「一発完了」等の指標を設定してフォローしています。

・人材の育成:相談センター要員に対する応対力研修や、サービス員に対する技術力・マナー研修を継続実施しています。

・CS調査の実施:当社独自のCS調査を定期的に実施し評価内容の分析改善に努めています。

片山幹雄(かたやま・みきお) 
1957年岡山県生まれ。東京大学工学部卒業後、シャープ入社。液晶の技術畑を歩み、2003年に取締役就任。07年4月より現職。

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