「2018年に10周年」の企業に上場会社が多い訳 数で勝る30周年のバブル創業組より粒ぞろい

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次に、1988年に創業した「30周年企業」はどうでしょうか。総数は2万4800社を数え、各周年の中で最も多くなっています。「30周年企業」は、バブル景気真っ只中の1988年に創業した企業群。

NTT本体からデータ通信事業本部を分離独立し、この年に別法人化されたエヌ・ティ・ティ・データ(東証1部)は、会社設立から30年を迎えます。このほか、たこ焼き店「築地銀だこ」を展開するホットランド(東証1部)、ネットワークインテグレーターのネットワンシステムズ(東証1部)などが名を連ねています。

業種別に見ると、不動産開発に沸いたバブルという時代を反映し、「建設業」と「不動産業」が目立ちます。「建設業」は7387社(構成比29.8%)、「不動産業」は2196社(同8.9%)を数え、とくに「不動産業」はこの年が、社数、構成比ともに過去最高です。当時は、地上げ屋、ウォーター・フロント開発など、不動産関連の“バブル用語”が一世を風靡しましたが、こうした追い風に乗って会社を立ち上げ、バブル崩壊後も生き残り、今なお存続する不動産業者が少なくないようです。

高度経済成長の波に乗った50周年組

続いて、老舗の仲間入りともいえる1968年創業の「50周年企業」です。総数は2万3661社で30周年企業の次に多く、その顔ぶれもバラエティーに富んでいます。有限責任監査法人トーマツ、電子部品商社の加賀電子(東証1部)、システムインテグレーターのオービック(東証1部)、介護事業のニチイ学館(東証1部)など、各業界を引っ張る企業ばかりです。

これらの企業が創業した1968年は、川端康成がノーベル文学賞を受賞した年。全共闘運動や学生紛争が各地で盛んになり、年末には三億円事件が発生しました。高度成長の真っ只中にあり、日本経済全体が右肩上がりを続けていた時代です。日本初の超高層ビルとして、高さ147メートル、地上36階建ての霞が関ビルが竣工した年でもありました。

「50周年企業」を業種別に見ると、「建設業」が9414社(構成比40.3%)で全体の4割を占めます。驚きなのは、このうち6割以上が年商1億円未満の中小企業が占めている点です。

おそらく下請け工事が中心の零細業者が、オイルショック、リーマン・ショック、東日本大震災などを潜り抜けてここまできたのでしょう。現代に至るまで、零細企業への政策的な後押しもあったにせよ、50年を生き抜くには幾多の苦労と不断の経営努力があったに違いありません。

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