年中スッピン隠せる「蒸れないマスク」の実力 若い女性に好評だが、マスク依存症の懸念も

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ドラッグストアでは、さまざまな種類のマスクが並んでいる(写真はmatsukiyo LAB新松戸駅前店、マツモトキヨシホールディングス提供)

マスク依存症とは、人目が気になり極度に緊張してしまう社交不安症の一種。マスクをすることで他人から表情が読まれづらくなり、安心感が生まれる。依存症に詳しい赤坂診療所の精神科医の渡辺登氏によれば、現在100人のうち5~6人が社交不安症であり、この5~6人の中にマスク依存症に該当する人がいるという。

特に多いのが20~30代の働く女性だ。社会人は高校生や大学生に比べて、社内での付き合いや社外での取引など人間関係が多様化する。プレゼンテーションや会議など、人前で発表する機会も増える。とりわけ女性の場合はスッピン隠しでマスクを着用する人が周囲にもいることで、マスクを着けやすい環境が生まれ依存してしまう傾向が強い。

求められるマスクとの上手な付き合い方

「今まではマスクを使用するのは冬場のみ。夏に着けると蒸れるので、マスク依存症の人も、さすがに冬以外はマスクを外す。季節が克服のきっかけの1つになっていた」(渡辺氏)

だが、今後通年マスクが定着することで、ますますマスク依存症が増える懸念もある。渡辺氏は「マスクを着けることでかろうじて社会とコミュニケーションが取れるという利点もあるが、年中着用していると人間関係の溝が埋まりにくい」と語る。

メーカー側は「マスクでコミュニケーションの阻害を促進したい、というわけではもちろんない。マスク本来の機能に基づいて使用してほしいし、使用方法も啓蒙していきたい」と口をそろえる。

依存症を克服するには、親しい人の前ではマスクをしないなど自分の中でルールを決め、徐々に着用頻度を下げていくことが大切だと渡辺氏は言う。通年マスクが広がることで、マスクとの上手な付き合い方が求められるようになる。

若泉 もえな 東洋経済 記者

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わかいずみ もえな / Moena Wakaizumi

東京都出身。2017年に東洋経済新報社に入社。化粧品や日用品、小売り担当などを経て、現在は東洋経済オンライン編集部。大学在学中に台湾に留学、中華エンタメを見るのが趣味。kpopも好き。

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