神戸製鋼所、経営幹部の改ざん「関与」が浮上 外部調査委の調査完了は2月末まで延期

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今回の発表だけでは、執行役員3人の具体的な関与のし方は依然はっきりしない。不正を「認識していたが、直接関与や指示ではない」ということは、「黙認していた」と解釈できる。だが、事業部門担当の執行役員が不正を黙認するということは、「不正は問題ない」と考えているのと同じだ。不正を行う部下が暗黙の指示と受け止めたとしても不思議はない。

また、アルミ・銅部門の執行役員3人がそろって不正を知っているのに、その上司であり、同部門の最高責任者である金子氏にまったく報告がなかったというのも、疑念がつきまとう。

会社の法的責任は格段に重くなる

11月10日に会見した神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長(撮影:風間仁一郎)

11月10日の会見で川崎博也・代表取締役会長兼社長は、自らが不正を把握したのは金子氏が執行役員3人から報告を受けた今年8月末であり、金子氏ともども「愕然とした」と語っていた。取締役である金子氏らが以前から不正を知っていたとすれば、会社の法的責任は格段に重くなる可能性が高い。会社としては、取締役会の関与だけは是が非でも避けたいところだろう。

外部調査委は現職の役職員だけではなく、役職員OBの関与についても調査中。そこまでさかのぼらなければ、不正がいつ頃始まったのかも究明できない。これまでの調査では、不正は検査データが残存する分だけで約10年前から行われていたことがわかっている。だが実際には、もっと長期にわたっていた可能性が高い。

今回、不正を認識していた執行役員3人は現在の委嘱業務をすべて解かれ、「アルミ・銅事業部門長付」とされた。上長へ報告しなかったことに対する事実上の「処分」であるが、最終的な処分については外部調査委の報告を待って、他の関係者とともに行うとした。

次ページ調査完了は2月末まで延期
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事