稲田朋美氏「もう一度、防衛大臣をやりたい」

防衛大臣辞任後に考えたこととは?

国防においてもう1つ重要なことは、日米同盟の深化にほかならない。自分の国は自分で守ることが原則としても、現実の問題として日本だけで日本は守れない。日米安保体制の下、アメリカの攻撃力なくして日本の国防は成り立たない。

安倍政権は、2015年に平和安全法制を整備した。その目的の1つは、日米安保条約第5条が規定した日本領域内におけるいずれかの国への攻撃に対し、共同で対処する具体的なルールを定めることだった。法制面だけでなく、日米のリーダーが緊密な信頼関係を築くことで、たとえば北朝鮮に対して、実効力のある圧力をかける必要がある。安倍首相とトランプ大統領は、まさにそうした関係だ。防衛大臣在任中、私もマティス国防長官と率直に語り合う関係をつくることができた。

また周辺の国々との関係も強化しなければならない。そのうえで、「力」ではなく「国際法」に基づく、秩序に裏打ちされた平和で安定したアジアをつくることが最も重要だと確信した。日本は戦後一貫して平和を維持し、力による支配を否定してきた。その結果、各国からの信頼を勝ち得てきたわけだ。安倍首相は、特に国際社会に対して卓越した発信力がある。その信頼と発信力を武器として、「法の支配に基づく国際秩序」によるアジアの平和と安定と繁栄にさらに寄与しなければならない。

主張すべきは主張しなければならない

誤った歴史認識に基づく根拠のない非難は、安全保障にもかかわる問題だ。「事実」に基づき反省すべきは反省し、主張すべきは主張しなければならない。

もっとも、たとえば中国や韓国では、それぞれの国内的事情により、日本との歴史認識問題がことさらに強調されてきた感は否めない。日本がそれに反論せず放置した場合、国際的には暗黙のうちに認めたことになる。それは、反日感情をエスカレートさせることで、関係を改善するどころか、むしろ関係を悪化させるだろう。

仮に朝鮮半島に有事が起こった場合、日韓の協力が滞る結果、約6万人の在韓邦人の救出に影響が及ぶ事態も想定せざるをえない。これまで、日本が十分に日本の立場を主張してこなかったことが、現在の日韓関係に及んでいると思う。

したがって、2015年12月の「最終的かつ不可逆的な」日韓合意について、日本は1ミリたりとも譲るべきではない。そもそも政権が変わったからといって国と国との合意を反故にするなど国際社会から受け入れられるはずもなく、言語道断だ。譲ればゴールが動かされ、さらなる譲歩を求められることになる。

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