稲田朋美氏「もう一度、防衛大臣をやりたい」

防衛大臣辞任後に考えたこととは?

私にとって、政治家としての原点は真の日本を取り戻すことだ。私は弁護士時代から、国益を守ること、特に日本の名誉を回復するための訴訟を手掛けてきた。反省すべきは真摯に反省する一方、いわれなき非難や中傷にはきちんと反論しなければならない。それこそ日本が名実ともに主権国家になるということだ。

具体的には歴史認識がそうだし、憲法改正もその延長線上にある。また、最近の東アジア情勢の緊張感の高まりを受け、国民の間でも外交・安保の重要性に対する認識が広がりはじめた。日本らしさをより発信する外交、そして自分の国は自分で守るという当たり前の原則に立った安全保障、そうしたことを一つひとつ具体的に進めることで、名実ともに日本を主権国家にすべく政治家になった。

ところが、外遊するときのファッションなど、本来の業務である安保政策とは異なることばかり注目された。

私も服装に関しては、TPOが大事だと思う。特に国を代表する大臣が式典に出席し、視察に行くときには、その場にふさわしい服装でなければならない。そこは当然わきまえていた。ただ、たとえば海外への出張で飛行機に長時間乗る際、現地や帰国後における職務に負担がないよう楽な格好をしたことは事実だ。この点は脇が甘かった。

ただし、服装と防衛大臣としての職務の中身、そして防衛大臣が女性であることにはなんの関係もないことをご理解いただきたい。海外を見渡しても、「2+2」でお会いしたオーストラリアのマリス・ペイン国防大臣、ジュリー・ビショップ外務大臣は共に女性だ。フランスのフロランス・パルリ軍事大臣もオランダのへニス・プラサハート国防大臣もイタリアのロベルタ・ピノッティ国防大臣も女性。防衛大臣の仕事と性別に因果関係はないし、各国の女性防衛大臣は実にファッショナブルであった。

7月の都議選での応援は「勇み足」

「涙」も女性としての弱さのようにとらえられ、批判の対象になった。戦没者追悼式典に関する辻元清美議員のご質問に図らずも涙がこぼれそうになったときのことだ。

なぜ涙ぐんだのかといえば、8月15日に靖国参拝できず英霊に申し訳ないという気持ちに尽きる。私の伯父も特攻隊としての訓練中の事故で終戦2カ月前に21歳で散華し、靖国神社に合祀されている。そういった前途ある青年たちの命の積み重ねのうえに今の平和で繁栄した日本がある。私は忘恩の徒にはなりたくないという気持ち、それ以外の何ものでもない。

7月の都議選での応援では、「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言したことが批判されたが、あれは率直に勇み足だった。関係者が集う、いわゆる箱モノ集会でお話をした場所が陸上自衛隊の十条駐屯地に近く、周辺住民の皆さまに温かく自衛隊を受け入れてくださっていることへの感謝の気持ちがあった。防衛大臣就任以降、「防衛省、自衛隊」と繰り返して申し上げてきたなかで、つい口に出てしまったのは私のミスだ。

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