稲田朋美氏「もう一度、防衛大臣をやりたい」 防衛大臣辞任後に考えたこととは?

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すでに日本は基金に対し10億円を拠出し、約束を忠実に履行してきた。慰安婦問題はすでに法的には解決済みだし、「20万人の若い女性を強制連行して監禁し性奴隷にして殺害した」などという事実無根の名誉毀損はやめてもらいたい。そのうえでの「最終的かつ不可逆的な」日韓合意の履行を韓国には強く求めたい。

これは日韓2国間の問題にとどまらない。国際社会が日本をどう見るか、そして韓国をどう見るかという問題だ。日本はこれまで主張してきた原則を維持したうえで日韓合意に至り、その義務を果たしてきた。それは、韓国がどのように言おうが、国際社会が見ている。非常に誇らしいことではないか。

いま何よりもやりたいのが防衛大臣

もしもう一度防衛大臣になれるとしたら、喜んで再チャレンジしたい。

防衛大臣を辞任した時、「あと1年あればできた」と思うことがたくさんあった。辞任はまったく自分の責任だ。政治家として最も厳しい1年だったが、得がたい経験をして学んだ教訓もたくさんある。この教訓を糧として日本の安全保障政策の前進に尽力したいと思っている。

具体的に、どんな改革を進めていくか。すでに述べてきた点も含めて4点ある。

まずは前述のとおり陸海空自衛隊の一体運用を可能とするさらなる組織改革だ。2番目には防衛装備であり、国産化とコストの抑制の両立を図りたい。3番目は国民に対する情報開示のあり方だ。特に自衛隊幹部がさらなる説明責任を果たし得る環境の整備を実現したい。

さらに、もう1つ付け加えるとすれば、女性自衛官の活躍促進だ。危険だと言われている南スーダンPKOにも、女性自衛官は自ら手をあげて参加していた。しかもお子さんを国内に置いての単身赴任の自衛官もいた。半年にわたってジブチに赴任していたママさん自衛官もいる。国内での勤務に比べれば危険なことを承知のうえで、高い能力とやる気に燃える女性自衛官が海外で活躍している姿を目の当たりにし、頼もしく思った。

南スーダンの駆け付け警護の訓練を視察した時、女性自衛官たちと会合を開いた。その際、「日本国内では南スーダンは危ないと言われているが、不安はないのか」と尋ねると、「南スーダンへの赴任はうれしくて楽しみだった」と答えてくれた。男性に勝るとも劣らない度胸があり、使命感に燃える女性自衛官が増えている。北九州豪雨の現場で災害対応にあたっている女性自衛官達も過酷な環境下で明るく、たくましく任務を遂行していた。大臣任期中に発表した「女性自衛官活躍推進イニシアティブ」もそうした女性自衛官たちが活躍できるよう、現場で聞いた声を反映したつもりだ。

女性自衛官の活躍を後押しするうえでも、女性が大臣を務める意義は大きい。国際的にも女性の防衛大臣は少なくない。彼女たちは真っ赤なミニスカートを身にまとい、ハイヒールやブーツで国際会議に参加していた。

もし、次にチャンスが与えられれば、これら4つの課題に正面から取り組むことで、日本の安全保障の前進と国民の安心に貢献したいと心から思っている。

海外で自衛隊の活動を視察すると、やはり日本はすばらしい国であると改めて誇らしく思った。現地の人たちに寄り添い、きめ細かな対応で貢献していた。たとえば、子どもたちに空手を教えたり、若者に技術を伝えるなど、文化や経済にかかわる交流で親善に大いに寄与してくれている。また、隊員一人ひとりが誠実で礼儀正しく、それが現地の人たちに十分に伝わっていた。

自衛隊員は、そうした日本らしさをいかんなく発揮し、世界で評価されていると思う。この点については、もっと積極的にアピールしても良いのではないか。志半ばで防衛大臣を辞任した私だが、日本の防衛政策を前進させ、自衛隊員の活躍を発信する一翼を担えるよう、政治家として精進していきたい。

稲田 朋美 衆議院議員
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