ミュラー氏による捜査が幕引きへ向かうワケ カギは米国憲法で確定された大統領権限

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ロバート・ミュラー特別検察官の次の一手は?(写真:REUTERS/Joshua Roberts)

12月15日、CNNがネット発信した情報は驚くべきものだった。ロバート・ミュラー特別検察官によるロシア疑惑捜査が、比較的近いうちに手じまいされる確率もゼロではないというのだ。そういう筋書きが現実味を帯びつつあるという可能性を、「反トランプ」と一般的に認識されているCNNが、珍しく客観的に伝えているのだ。

その後、トランプ陣営の新政権移行チームの弁護団から、ミュラー氏側が違法な証拠収集をしているというクレームが出され、そのやり取りをめぐってメディアで大騒ぎとなっている。トランプ陣営の上記弁護団によると、ミュラー氏側はトランプ陣営に事前通告せずに、政権移行チームによる数多くの私的メールを違法取得していたというのだ。もちろん、ミュラー氏側はその疑いを否定しようとしている。

大統領がミュラー氏をクビにする?

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ただ、CNNが報じた「早期手じまい」の可能性は消えていない。これ以上、ミュラー氏がだらだらと捜査を続けるようなら、大統領が激怒して、ミュラー氏をクビにするのではないかと、CNNのテレビリポーターは伝えている。トランプ大統領は、「ミュラー氏をクビにしない」とさらりと述べ、「だが、多くの法律家たちは怒っている」と記者団に語っている。

CNNによると、ミュラー特別検察官は捜査範囲を広げるのではなく、トランプ大統領がジェームズ・コミー前FBI長官を解任した点に絞って、書類捜査をしているようだという。その一点に絞っているという方向性が出ているのであれば、捜査完了前の手順として、自然かもしれない。

なぜ、そういう動きになってきたのか。それには、前回の本稿「トランプ大統領は追い詰められてはいない」で紹介した、アラン・ダーショウィッツ、ハーバード大学ロースクール名誉教授の明晰な法解釈がモノを言っている、と筆者は推理している。

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