スバルの検査不正、報告書提出でも残る疑問 隠蔽行為も発覚、「昭和な会社」は変われるか

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また新たな問題が発覚したにもかかわらず、日産のように製造ラインを止めずにいた。「講習時間の未達については指摘後迅速にフォローアップを行い、追加で理解度テストも行ったため、必要ないと判断した」(大崎執行役員)というが、なぜこれまで誠実な対応を貫いてきたスバルが、応急措置的な対応でしのごうとしたのかは疑問が残る。

スバルは、グローバルの販売台数が72カ月連続で前年同月を超える好調な業績が続く。だが、日本では、無資格検査の対象となった車のリコール対応やテレビCM自粛が響き、12月の受注は「前年の7割くらいの水準」(吉永社長)だという(「販売店が悲鳴、スバルが直面する新たな試練」)。

抜本的な風土改革をどう実現するか

スバルが今春刷新した「XV」。好調だった国内販売が無資格検査問題で急減速している(撮影:尾形文繁)

安心や安全を訴求することでブランド力を高めてきたスバルだが、安全を担保する重要な検査で消費者を裏切る行為をしていた。今回の問題で、現場から経営陣までルールを順守する考え方が浸透していないことも浮き彫りになった。問題は完成検査だけではないかもしれない、という不安を消費者に与えてしまっては、築いてきたブランド力を失いかねない。

「お客様のためと思ってやっているが、社員がこうありたい、このルールなら守りたいと思えるような環境を作らなくてはいけなかった」。吉永社長の言う抜本的な風土改革を今後進めるためには、自社によるさらなる原因究明や、新たな問題に対してより真摯に向き合うことが第一歩だろう。

森川 郁子 東洋経済 記者

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もりかわ いくこ / Ikuko Morikawa

自動車・部品メーカー担当。慶応義塾大学法学部在学中、メキシコ国立自治大学に留学。2017年、東洋経済新報社入社。趣味はドライブと都内の芝生探し、休日は鈍行列車の旅に出ている。

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