終電逃しても安く帰れる!検索アプリの裏技 「行ける限りは電車利用で」ナビタイムが開発

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池袋―狭山市間の検索結果として、東武東上線新河岸駅経由という候補も。意外なルートが見つかるかもしれない(提供:ナビタイムジャパン)

だが、今回の新たなルート検索を使用すると、別の経路も出てきたという。池袋から出るもう1つの私鉄、東武東上線で新河岸駅(埼玉県川越市)まで行き、そこからタクシーを使うという方法だ。「こういう帰り方もあるのかと思った」と吉永さん。いつも通っているルートでも、1度調べてみると意外な別経路が発見できるかもしれない。

さまざまな経路検索手法を駆使し、ちょっと意外なルートであっても最適解を導き出す「終電後に帰れるルート」検索。ただ、気になるのは「その駅に本当にタクシーが待っているかどうか」だ。これまでに降りたことのない駅からタクシーを利用する経路が表示された場合、一抹の不安を抱く人もいるに違いない。冬の深夜であればなおさらだ。

乗り遅れても希望はある?

この点については現在もチューニングを続けているといい、「タクシー乗り場については1つずつチェックを行っており、乗り場がない駅からタクシーに乗るルートが出ないよう改良を重ねている」(開発担当者の足立吉広さん)。今回のサービスは全国を対象としているが、タクシー乗り場の有無や乗り場に屋根があるかどうかなどの調査については、首都圏の各線から進めているという。

また、途中の駅まで電車やバスを利用してタクシーの利用距離を短縮できるといっても、タクシー代が高額であれば意味がなくなってしまう。こちらについても「過去の終電検索リクエストの記録を参照して、(新しいシステムで)変化した経路が適切かどうかを確認しており、タクシー代が高すぎる場合はルートとして表示しないよう調整している」という。

さまざまな事情で終電の時間を過ぎてしまうことは誰にでもありうること。できればネットカフェや居酒屋での夜明かしは避けて家に帰りたいが、タクシー代は高いし……と悩んだことのある人は多いに違いない。深夜に渋谷駅前で客待ちをしていたタクシー運転手は「一時期に比べれば、東横線の終電後に横浜方面までとか、長距離のお客さんは増えていますよ」というものの、そう簡単に数千円以上のタクシー代を払えるわけではないという人が多いだろう。

「終電後でも帰れるルートを表示するので、もし乗り過ごしてもあきらめないでください」と吉永さん。終電に乗り遅れた際、スマートフォンでネットカフェや深夜営業の店を探すのもいいが、経路検索で「できるだけ安く帰れる方法」を探してみるのもいいかもしれない。

小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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