「ベートーヴェン」と「第九」の知られざる真実 思わず人に話したくなる蘊蓄100章

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21. この1804年~1814年の中期ベートーヴェンの黄金期をフランスの作家ロマン・ロランは〈傑作の森〉と表現

22. ベートーヴェンは聴力を補うべく特注ピアノを注文し、口に咥えたタクトから歯を通じて音の振動を感じた

23. これは〈骨伝導〉を利用したもので、そうして感じた音と聴力があった頃の音の記憶と知識で作曲を続けた

24. 作曲以外のときは筆談と、聴診器のような当時の補聴器を使用して周囲とコミュニケーションをとっていた

25. 40代に入るころには全聾となり、加えて神経性と思われる腹痛や下痢にも苦しんでいたといわれる

26. 晩年は体調のみならず甥の非行にも苦悩し作曲が停滞したが、その中で『交響曲第9番』等の大作を生む

27. 1826年12月、ベートーヴェンは肺炎を患ったことをきっかけに黄疸を併発し、その後は病床生活を送る

28. 病床で『交響曲第10番』に着手するが未完のまま1827年3月26日に肝硬変のために56歳の生涯を閉じた

ベートーヴェンの墓(写真:りょっち / PIXTA)

29. ベートーヴェンの葬儀は3月29日に自宅近くの三位一体教会(アルザー教会)にて行われた

30. その葬儀には2万人もの参列者が詰めかけたが、ベートーヴェンを〈神〉と崇めるシューベルトの姿もあった

31. 葬儀の後、シューベルトはワインで献杯し「私たちの不滅のベートーヴェンに!」と叫んだといわれている

32. ベートーヴェンはヴェーリング墓地に埋葬されたが、翌年シューベルトも亡くなり同墓地の隣所に眠った

33. 二人はその後改葬され、現在はウィーン中央墓地32区の〈楽聖特別区〉に納められている

プライベートな人物像は?

34. 偉大なる音楽家として知られるベートーヴェンだが、プライベートな人物像は個性的だったともいわれる

35. 身長は165㎝前後と当時の西洋人としては中背で筋肉質。美男とはいえないものの女性には人気があった

36. しかし年齢を重ね服装に無頓着になり、弟子はその姿を「ロビンソン・クルーソーのよう」と評している

37. 無帽で歩いたことで浮浪者と間違われて逮捕され、のちにウィーン市長が謝罪する珍事もあったという

38. 生涯で60回以上の引っ越しを繰り返したといわれるが室内は乱雑だった一方、入浴と洗濯にはこだわった

39. 手を執拗に洗う潔癖症な面もあり、コーヒーは必ず豆を60粒数えてミルで挽きハンドドリップしていた

40. パンと生卵を入れて煮込んだスープや茹でたマカロニにチーズを和えたものが好物で、肉や魚料理も好んだ

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