40代の「ツアーひとり参加」がおすすめな理由 益田ミリさんに聞いてみた
――団体ツアーといっても、いつも全員が一緒に行動するわけじゃないんですね。
そうそう。北欧のオーロラツアーでも、自由行動の日があったんです。トロムソという街に泊まったときは、ホテルが山のほうだったので、日中は、ひとりバスに乗って繁華街まで出てみました。団体ツアーですが、ひとり旅気分も味わえるんです。
エッセイでも書きましたが、雪の街を散策中、入ったチョコレートショップの店員さんとのやりとりなども楽しい思い出です。困ったことが起こったら、添乗員さんに連絡することができるという安心感もありました。
一瞬だけ、違う人生を生きられるのが旅の醍醐味
――その後もドイツのクリスマスマーケット、フランスのモン・サン・ミッシェル、リオのカーニバル、台湾の平渓天燈祭と、益田さんが「美しい」と感じる風景を訪れる旅は続きます。5つの旅のうち、3つが“お祭り”ですね。
あ、本当ですね。お祭りって、その時にだけ見られる「美しいもの」。憧れは強かったんだと思います。
とはいえ、人出も多いし、個人ではホテルも押さえにくいだろうし。そう考えると、お祭りこそ、団体ツアーが便利かもしれません。ブラジルのリオのカーニバルに、まさか自分が行けるなんて思いもしませんでしたから。
――リオのカーニバルは究極の祝祭という感じがしますよね。
夜の9時からスタートして、カーニバルは、なんと朝までつづいたんです。みんなで観光バスで朝帰り(笑)。さすがにクタクタになりましたが、「見られた」という清々しさがありました。
世界各国から旅行者が集まってきていているので、みなさん、カーニバルの楽しみ方もそれぞれでした。それを観察するのもおもしろかったです。一緒になって激しく踊っている人もいれば、お酒や食事を楽しみながら観ている人も。わたしたちのツアーは、旅行会社からおそろいの「はっぴ」を渡されて、みんなで着てました。祭りだし、ってことですかね?