外債・投信に運用広げても地域銀行はジリ貧

人口減と高齢化が進む中で八方ふさがり

地域銀行の外債の保有残高は2012年の4~9月までは6.8兆円程度だったのが、2015年には13.8兆円とほぼ倍増し、2016年末には15.6兆円にまで膨らんだ。

その後、米国の急激な金利上昇により損失が出て、売却による損切りを余儀なくされたこともあり、今後への警戒感から足元では減っている。投資信託も海外の国債を中心に投資するものが中心だが、2012年には2.4兆円程度だったのが2017年8月末では9.8兆円まで膨らんでいる。投資信託は値上がりしたところで売却するといった益出しにも使われている。

マイナス金利調達でサヤを抜く苦肉の策も

しかし、銀行は預金保護の観点から、自己資本対比でとれるリスク量は規制されている。野放図にリスクを拡大させることはできない。そのため、2012年末から2017年8月末までの銀行の資産負債の推移を見ると、負債側で預金が増える一方で、資産側では運用していない現金・預け金が大幅に増えている。

この裏側には別の工夫もある。負債側で預金以外の負債(図の「その他の負債」)が増えている。これは短期金融市場で借り入れを行っているためだ。マイナス金利政策が導入されてからの動きで、短期金融市場からマイナス金利で資金を調達し、日銀当座預金にゼロ金利で預ければ(当座預金がマイナス金利を課せられない範囲にとどまっている場合)、サヤが抜けるというものだ。また、これ以上預けるとマイナス金利を課されるというところまで日銀当座預金を積んでいる場合、「短期間、財務省へ預けている」と打ち明ける地銀もある。

いずれにしても、様々な工夫をもってしても、運用難から、地域銀行の資産運用のネットの収益である資金利益は毎期減少を続け、2013年3月期の4.1兆円から2017年3月期には3.8兆円になっており、減少に歯止めがかかっていない。過去の相対的に高い利回りの貸出の返済や国債の償還に伴い、まだ来期も運用利回りは低下するとみられる。

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