大相撲、上から目線の評論家は黙ってほしい

パンプキンが大相撲暴力事件に「モノ言い」

被害者も、その被害の訴え方を間違えれば時に加害者になってしまうのは世の習いです。最初に義はあってもその後の沈黙で、表沙汰にならなくて済む内紛まで白日の下にさらされる事態を招いています。暴力が発端だからといって、その後の全ての貴乃花側の態度が正当化されるわけではありません。

被害者力士とその師匠が黙秘を続けるのは、神道に始まる神聖な相撲界とはいえ、ファンあっての相撲界である組織の人間として、重大な責任逃れという側面もあります。

「名は体を表す」

私が違和感を覚えるもう一つの理由があります。一連の貴乃花親方の服装や表情に触発されて発生した違和感です。「名は体を表す」と言いますが、服装や態度も体を表すと思います。親方の長いマフラーやサングラスは、彼のルックスが良いのも災いして、まるでファッションショーに向かうモデルか、イタリアのマフィア役を演ずる俳優の小道具に見えます。

そして私が一番ショックを受けたのは、11月30日の日本相撲協会の理事会の映像です。マフィアのボスのような恰好の貴乃花親方が、先輩や同僚理事たちを睨みつけるように、ある時は無視するかのように能面のごとく無表情で、しかも一人のけぞって席についていました。「目上を敬う心や礼儀」など、欠片も感じませんでした。

そして何よりも、被害者である貴ノ岩関の想いが考慮されているようには全く思えません。本件を行き過ぎた暴行事件として横綱を引退に追い込むほど処罰感情が強かったのか、それとも貴ノ岩関が望んでいたものは違うものだったのか、貴ノ岩関本人の意思が尊重される機会が一切ないように思えます。

いろいろ因縁があるようですが、それとは切り離して親方はまず、協会に不信があろうとも本件に関してはこの事態を、一刻も早く収拾するという一理事としての責任が見えないのは残念です。

かって元横綱・朝青龍が暴力事件で引退するとき、「解雇でなく引退で良かったと思います。朝青龍の人生はまだまだ続いていくので、彼の人生を、協会や理事会が奪うようなことにならなくて良かった」と、朝青龍を気遣っています。「しかしその引退の背景には、横綱の暴力行為があったことを忘れてはならない」と、釘を刺しました。

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