横浜-桜木町「東横線」跡地整備はいつ終わる? 遊歩道になるはずが2021年まで先送り

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最後に、横浜駅周辺地区で進められている街づくり計画「エキサイトよこはま22」との関係性などについても話をうかがった。

「横浜―桜木町間遊歩道は、エキサイトよこはま22の歩行者導線計画の一部として位置づけられています。現在、旧東横線の高架は横浜駅手前で終わっていますが、これを帷子(かたびら)川と横浜駅との間の高架構造物を活用し、階段等で地下1階の”みなみ通路”に接続させる計画です」(都市整備局)

「横浜市市街地環境設計制度」に基づいて誰でも自由に出入り可能な公開空地に、二代目横浜駅のレンガ造りの遺構が保存されている(筆者撮影)

なお、一般に鉄道廃線跡を活用した遊歩道整備においては、”地域間の分断の解消と回遊性の向上”というビジョンが掲げられることが多いが、今回の遊歩道整備は、周辺エリアの活性化へのインパクトは期待されるものの、「この事業に、旧市街地とみなとみらい地区を結ぶ廃線跡地と直行する施設の整備等、具体的な計画は盛り込まれていません。両地域間の分断の解消策については、別途考えることとしています」(都市整備局)とする。

このほか、近年の社会情勢からすれば、遊歩道の都市防災機能としての活用や、完成後の維持管理等における、民間の活力の導入なども検討課題となろう。

今後は、予定どおり進むのか

「市民の皆様からは、一日も早く供用をという声はいただきますが、整備の内容について見直しを求めるようなご要望をいただくことはありません」(都市整備局)ということが示すように、横浜―桜木町間は、廃線からおよそ13年間、半ば”放置”されてきたこともあり、地域住民の関心もかなり薄れてきていることが想像される。

また、桜木町駅側から完成部分につき、順次、遊歩道として供用が開始されれば、桜木町駅に隣接した資材搬入口が、原則として使えなくなり、今後の工事に際しては、国道側からの資材搬入等が必要になるが、それには、さらなる協議や調整が必要になる。予算の問題等も考えると、2021年度に本当に完成するのかも未知数といえよう。

森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト

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もりかわ あき / Aki Morikawa

現在、神奈川県観光協会理事、鎌倉ペンクラブ会員。旅行、鉄道、ホテル、都市開発など幅広いジャンルの取材記事を雑誌、オンライン問わず寄稿。メディア出演、連載多数。近著に『湘南モノレール50年の軌跡』(2023年5月 神奈川新聞社刊)、『かながわ鉄道廃線紀行』(2024年10月 神奈川新聞社刊)など

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