東芝巨額増資はゴールドマンの独り勝ちに

先を越された日系証券各社に衝撃

 11月28日、東芝による6000億円の第三者割当増資は、ゴールドマン・サックス証券(GS)がアドバイザーの座を獲得、先を越された日系証券各社に衝撃が走った。2016年5月撮影(2017年 ロイター/David Gray/File Photo)

[東京 27日 ロイター] - 東芝<6502.T>による6000億円の第三者割当増資は、ゴールドマン・サックス証券(GS)がアドバイザーの座を獲得、先を越された日系証券各社に衝撃が走った。上場廃止の瀬戸際という難条件の資金調達を可能にしたのは、海外投資家を一気に集めたGSならではの展開力だった。

ただ、買い手企業には「物言う株主」となる複数のファンドも含まれる。増資の朗報とは裏腹に「東芝は新たな火種を抱え込んだ」(関係者)との懸念もある。

報われなかった東芝への支援

「GSにしてやられた」――。東芝の増資決議発表直前、GSにマンデート(アドバイザー契約の締結)が下りたと聞いた東芝のメインバンク系列証券会社の幹部は悔しがった。苦境の東芝を支えてきたのは国内勢であり、増資マンデートを手にするのは自分たちだとの思惑があったからだ。

2015年には不適切会計、16年には米原子力事業での巨額減損損失が発覚し、東芝は一気に経営危機に陥った。ちょう落する名門企業を融資で支えてきたのは三井住友銀行やみずほ銀行。その支援と足並みをそろえる形で、系列証券のSMBC日興証券とみずほ証券も資本増強に向けた提案を行ってきた。本来、融資と株式発行は利益相反関係にあるため、まったく別個のビジネスだが、主力行グループ幹部は「銀行とは別に、証券でも支えようとしてきた」と明かす。

一方、同社の主幹事証券を長く務める野村証券も財務アドバイザーに就任し、上場維持に向けて資産売却や財務強化の助言を重ねてきた。

それにもかかわらず、東芝は巨額増資案件を日系証券には任せなかった。関係者によると、GSが得るアドバイザー手数料は200億円前後に上る見込みだ。野村などにもいくばくかの手数料が入るとみられるが、金額は微々たるものになりそうだ。「大きなリスクを背負ってきたのに、手数料も取れないなんて」と先の主力行グループ幹部は嘆く。

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