柔軟剤で頭痛やめまい?広がる「香害」の実態 きっかけは海外企業が投入した新商品だった

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ドラッグストアやスーパーでは香り関連の製品がズラリと並んでいる(撮影:今井康一)

このような状況に柔軟剤メーカーはどう対応していくのか。

現在、各メーカーはテレビCMで「香りの感じ方には個人差があります。周囲の方にもご配慮のうえ、お使いください」といった文言を表示。ホームページには製品の香りの強さを表記するなどの対策を講じてきた。それでも国民生活センターや日消連に体調不良を訴える相談は後を絶たない。

消費者庁との話し合いも実施

ある柔軟剤の大手メーカーは「一企業として対応するのではなく、日本石鹸洗剤工業会(日用品メーカーなどで構成されている業界団体)で何らかの方針が出されたら、それに従うだけ」と素っ気ない反応を示す。

8月末には日消連など複数の団体と消費者庁との間で香害対策についての話し合いが行われた。日消連はそれ以降も要請を続けているが、現時点で具体的な対策案は提示されていない。香害対策について消費者庁は「議論は継続しているが、現時点で決まったものはない」と述べるにとどまる。

「今後は消費者庁だけではなく、文部科学省にも訴えていく。香り付き柔軟剤による体調不良を訴える声は、学校からも多く寄せられている。柔軟剤をやめよう、とまでは言えないが、香りに関するエチケットを教育する場が必要だと感じている」(杉浦氏)

需要がある以上、香り付き柔軟剤の商品はこれからも投入されるはず。メーカーや消費者庁による対策と同時に、一人ひとりが「香りのマナー」を意識しなくてはいけない時代に来ているのかもしれない。

若泉 もえな 東洋経済 記者

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わかいずみ もえな / Moena Wakaizumi

東京都出身。2017年に東洋経済新報社に入社。化粧品や日用品、小売り担当などを経て、現在は東洋経済オンライン編集部。大学在学中に台湾に留学、中華エンタメを見るのが趣味。kpopも好き。

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