「湘南モノレール」経営刷新で何が変わったか 三菱グループを離れて約2年、新体制の成果は

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参加した学生の1人は「湘南モノレールを初めて知ったが、安全運行を守るために舞台裏で真摯に取り組んでいる社員の方たちの仕事ぶりに接することができた。公共交通機関としての使命を果たし続けることがいかに大変なことなのかを学べた」と感想を語った。

インターンでコラボする湘北短大の飯塚教授も「インターンを通じて学生たちは企業のチャレンジングな姿勢を学び、また公共交通機関に対する意識を高めることができた。湘南モノレールでのインターンを今後も継続して行い、さまざまな切り口で企業の存在意義を学生に学ばせたい」と同社に対する今後の期待を口にする。同社では湘北短大のインターン受け入れを同社公式Facebookを通じてアピールし、一定の反響を得た。インターン受け入れを通じて企業の社会貢献姿勢を示すことは、これからの企業経営にとってますます重要になるだろう。

若い世代の理解者を増やす

インターン終了から数日後、筆者は冒頭の「モノレールのたび号 出発式」に参加した。絵本作家のみねお氏に湘南モノレールに期待することについて尋ねると、「高齢化で車を運転することが困難な人が増えるので、モノレール・公共交通がもっと広がってほしい」との回答が返ってきた。

尾渡氏のリーダーシップの下で、沿線住民や若い世代、鉄道ファンなどとの積極的なイベント交流、インターン受け入れ、列車の増発と駅のバリアフリー化・ICカード導入など積極的な経営施策により活性化が進む湘南モノレール。共感の輪は広がっている。

積極的なイベント開催や若い世代との接触を増やす取り組みについて、尾渡氏は「世代を超え多くの方に愛されるモノレールを次の世代へと引き継いで行きたい」と、その狙いを語る。小さい子どもたちとの接点を増やすことは将来のファン育成と保護者に対するアピールにつながり、そしてインターン受け入れは若い世代のモノレールへの理解につながるきっかけになると期待される。

また、湘南モノレールは江ノ島エリアから大船駅への唯一の直行ルートであるが、同駅で成田空港に直通する「成田エクスプレス」の定期列車と接続する強みを有する。JR東日本との連携により「成田エクスプレス」とモノレールをセットにした企画乗車券を造成することも一案だ。観光利用を伸ばすためには、インバウンドの訪日外国人を湘南モノレールへぜひ誘致したいところである。

これからも1人でも多くの理解者を増やすことが、湘南モノレールの発展につながるはずだ。

大塚 良治 江戸川大学准教授

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おおつか りょうじ / Ryouji Ohtsuka

1974年生まれ。博士(経営学)。総合旅行業務取扱管理者試験、運行管理者試験(旅客)(貨物)、インバウンド実務主任者認定試験合格。広島国際大学講師等を経て現職。明治大学兼任講師、および東京成徳大学非常勤講師を兼務。特定非営利活動法人四日市の交通と街づくりを考える会創設メンバーとして、近鉄(現・四日市あすなろう鉄道)内部・ 八王子線の存続案の策定と行政への意見書提出を経験し、現在は専務理事。著書に『「通勤ライナー」 はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)。

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