「湘南モノレール」経営刷新で何が変わったか 三菱グループを離れて約2年、新体制の成果は

拡大
縮小

学生C:外国人対応が遅れていないか?

尾渡:外国人対応はさほどコストがかからないので、しっかりやる。ホームページは多言語化した。しかし、やはり大事なのはバリアフリー化とICカード導入だ。

学生C:爆発的に乗客が増えた場合は対応可能か?

尾渡:湘南モノレールの年間乗車人員は1060万人。1編成当たり300人以上乗車可能だが、1日300本が運行されており、年間3000万人の輸送能力がある。したがって、問題ない。外国人が多いのは、両端駅。両端駅のバリアフリー化とトイレ完備を進めれば評価いただけると考えている。湘南江の島駅のバリアフリー化工事は、五輪の2018年プレプレ大会に100%は間に合わないが、エレベーターは来年4月から、エスカレーターは10月から供用開始予定。2019年のプレ大会には十分間に合う。

観光でのシェアをどう伸ばすか

学生A:商社から鉄道業界へ転身した理由は? 私自身は環境順応に苦手意識を感じているので、単純にすごいと思う。

尾渡:商社にいるときのほうが環境順応ははるかに大変だった。しかし、順応は誰でもできる。私自身は転職でそんなに異なる仕事をしている感覚はない。

大塚:現状では、湘南モノレールの江ノ島観光に占めるシェアは低い。シェア増加の秘策があれば聞きたい。

湘南モノレールと周辺各線の略図(筆者作図)

尾渡:2015年度の江ノ島エリア主要3駅(小田急片瀬江ノ島駅、江ノ電江ノ島駅、湘南モノレール湘南江の島駅)に占める各社の割合は、小田急68%、江ノ電20%、モノレール12%。湘南モノレールの乗車人員を増やす秘策は湘南江の島駅の駅舎改築。テーマパークのような楽しい駅舎を作ることも一案だ。

質疑応答の最後に尾渡氏は、インターンシップに参加した湘北短大の学生に対し、湘南モノレール公式Facebookページへ掲載するためのお絵描き教室・車両見学会に関する投稿文を課題として提示した。学生による投稿文は、後日同ページに原文のまま掲載された。

次ページ学生受け入れで示す社会貢献の姿勢
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT