サウジの王子が11人も「一斉逮捕」された事情 警察からは逮捕理由は一切発表されていない

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「その中には、国際的な地位のあるビジネスマンもいる。もし彼らが捕らえられるなら、誰が捕まってもおかしくない」。こう話すのは、シンガポールのS・ラジャラトナム国際関係学院でサウジアラビアについて研究するジェームズ・M・ドーシーだ。「こうした状況が、投資家からの信頼や、海外からの投資につながることはない」。

しかし、サウジアラビアのニュースメディアはこの逮捕劇を、待望されていた腐敗の一掃であるとして歓迎している。一般には、王族やその仲間が私腹を肥やしていることに対する怒りがあり、そうした人たちにアピールするものでもある。

容疑が何なのか明らかにされていない

逮捕の発表から24時間近くが経った時点でも、誰が逮捕され、容疑は何なのかについて、警察や報道官からの発表はなかった。

国営の衛星テレビ局、アルアラビヤが報じたのは、11人の王子を含む多くの人々が捕らえられたことと、それは「反腐敗委員会」の命令によるものだったということだけだった。同委員会は、ムハンマド皇太子の指示により、摘発のわずか数時間前に結成された。同委員会は国王令により、裁判や手続きや発表なしで個人を拘束し、資産を押収することが認められている。

5日に日付が変わってまもなく、ソーシャルメディアでは逮捕された人々のリストが出回り始めた。そして5日の夜には、政府高官らがそのリストをソーシャルメディアに再投稿するようになった。中東のニュースメディアもその内容を報道し、政府も誰も否定しなかった。

拘束された人の中で政治的に最も有力なのは、元国家警備隊担当相のムトイブ王子だ。サウジアラビア政府は彼を腐敗の新たな象徴にしようと、5日にはソーシャルメディアでキャンペーンを始めたようだ。

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