”お嬢様医師”が皮膚科を選択するワケ 家族を取るか仕事を取るか? 

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転科しやすい科目、しにくい科目

ここで転科ということについても、少し触れておきたいと思います。転科とは自分の専門の科目を変えるということ。山田医師は皮膚科から内科への転科を考えたわけですが、転科もやりやすいものとやりにくいものがあります。転科の可否についてよく言われるのが、「外科から内科はしやすいが、内科から外科は難しい」ということ。

外科から内科の転科でいうと、外科で長年メスを握っていた医師が、一定の年齢(50~60歳くらい)で手術をやめ内科に転科するといったことがよくあります。外科には術前、術後の全身管理をするという役割もあり、経験を積むと内科に関してもある程度の経験が蓄積されるようになります。

一方で、内科医が手術室に入ることはありません。これまでの経験においても内科から外科に移った医師は見たことがありません。またマイナー科(皮膚科、耳鼻科、精神科など)と言われる科目からメジャーな科目に移るのも大変です。専門領域が限られすぎているため、なかなか体を全体的に診ることが難しく、ゼロから勉強をし直さないといけないということが多いため、その負担がものすごく大きくなります。

また内科や外科は多くの診療科が枝分かれしているので、その中である程度方向を変えることもできますが、マイナー科に進むと所属を完全に変えないといけないことになり、なかなかほかの科に途中で移ることが難しいのです。

転科を目指していくつかの病院を面談

では、山田医師の話に戻ります。

私が相談を受けたときには、「これまで続けてきた皮膚科を継続するのか? それとも医師を目指すきっかけとなった消化器内科を再度やり直すのか?」。すでにこのポイントが最大の相談内容となっていました。コンサルタントと共にこれまでの振り返りを行い、自分の経験と今後のやりたいことをあらためて考えたところ、まずは転科可能な病院を探して受け入れ可能のところがあれば、面談に行こうということになりました。

ちなみに山田先生は、とてもきれいで人あたりもよく、誰からも好かれるタイプの先生。

ただ実際のところ、いくら先生の印象がよいといっても、先生の年齢で簡単に転科を受け入れてくれるような病院はあまりないのが実情でした。35歳で研修し直しとなると、いちばんストレートで後期研修医になった医師は26歳、一回りも下になり組織としての年齢のバランスが問われます。また子供の世話や送り迎えもある生活で、当直や残り番があるような勤務形態は無理だという意向がありました。
条件的には非常に厳しい面がありましたが、それでもいくつかの病院は検討していただけるということで、いざ面談、という運びになりました。

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