JRで一番「効率よく稼ぐ路線」は九州にあった

四国・九州・貨物3社の営業係数を独自試算

気になるのはJR九州の今後の動向であろう。各路線を維持するためには一定の投資を行う必要があり、減価償却費の増加は避けられない。また、上場初年度でもあったために運送営業費を削減できたと考えられるが、いつまでもこの状態を続けられないはずだ。旅客輸送密度が低く、営業係数も極端に悪い路線に対しては運賃の見直しといった方策が必要となるであろう。

好調だが環境激変のJR貨物

●JR貨物

JR貨物全体の営業係数は好転しているが、貨物輸送をめぐる環境は大きな変化を迎える(撮影:梅谷秀司)

路線ごとの貨物輸送トンキロが明らかにされていない理由により、JR貨物各路線の営業係数は残念ながら試算することができなかった。今後の課題として、たとえば国土交通省の貨物地域流動調査をもとに路線ごとの貨物輸送量を推測して営業係数を求める方策も考えられるが、精度が著しく低くなることも予想される。関係各位には各路線の貨物輸送トンキロや貨物運輸収入といったデータの公表を望みたい。

さて、JR貨物全体の営業係数は2009年度の107.4から2014年度は103.8へと好転した。貨物輸送密度が6806トンから6978トンへと向上したことによるものだ。同社は2016年度に鉄道事業で5億円の営業利益を計上したと発表しており、営業係数を求めると99.6である。モーダルシフトの進展に加えて、営業費用の削減によって同社の営業収支は好調な状況にあると言ってよい。

貨物輸送のライバルである自動車では、全長が21mから25mへと緩和されたフルトレーラーの本格運用が2017年度中に始まる。さらには、高規格な高速道路である新東名高速道路の全線開通を2020年度に控えており、JR貨物を取り巻く環境は大きく変わっていくであろう。同社にはJR旅客会社に支払う線路使用料の問題もあり、営業係数に関して言えば今後の見通しは不透明だ。

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