JRで一番「効率よく稼ぐ路線」は九州にあった 四国・九州・貨物3社の営業係数を独自試算
営業係数を試算した結果、2016年度に100を下回る営業係数を記録した路線は本四備讃線の69.5のみ。全線でなく、一部区間の場合を含めても、ほかには88.4となった予讃線の高松―多度津間しか存在しない。
残る路線の営業係数のうち、予土線は1770.7と千の位に達する数値を記録した。区間別に見ると同様の営業係数は牟岐(むぎ)線牟岐―海部(かいふ)間にもあって1801.5となっている。同社発表の旅客輸送密度は予土線が333人、牟岐―海部間が248人と、鉄道事業の存続が困難と見なされる500人未満であり、JR北海道と同じくJR四国も、いつこれらの路線・区間を自力で維持できないと言い出しても不思議ではない。
収支好転へ予讃線の黒字化を
JR四国は2016年度に鉄道事業で119億円の損失を計上した。営業係数は143.7だ。営業収支を好転させるには124.2を記録した予讃線全線を黒字に転換させなくてはならない。そのためには高速道路に対抗するために大規模な投資が求められる。特に営業係数が109.9~130.7の多度津―松山間には、国や沿線自治体の支援に基づく高速化が検討されるべきであろう。
同社の泉雅文会長は2017年3月6日に日本交通協会で「四国への新幹線導入について」と題して講演を行い、新幹線の誘致を訴えた。私案ながら、第1期開業区間として四国横断新幹線の岡山―宇多津間と四国新幹線の高松―宇多津間、第2期開業区間として四国新幹線の宇多津―松山間を整備するという道筋が、同社の存続に向けて必要かもしれない。
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