共働き夫婦が陥りやすい「保険見直し」のワナ

妻の収入増は要注意!?夫死亡で「年金ゼロ」も

月々1万円の積み立てであれば、1年後は12万円、10年後は120万円となり、その貯蓄残高推移は、直角三角形の形にたとえられます。一方、同じ月々1万円でも、保険料の場合はどうでしょうか? 保険であれば支払った保険料にかかわらず、万一の場合は、決まった額の保険金が受け取れますよね。横軸を時間、縦軸を保障額とすると、いつでも一定額が受け取れる保険を四角形と表現するわけです。

さて、四角形には、向かい合わせとなった直角三角形が2つ含まれます。したがって、本来は「三角形の貯蓄で賄うべきところ」を四角形=保険で備えてしまうと、不要な部分が生じます。すなわち、それがコスト高となることがあります。そのため、おカネの用途をしっかり見極め、三角形と四角形を上手に使い分ける必要があります。

四角形で備えるべきおカネの代表例は家族が亡くなったときの死亡保険です。「死」はすべての人に訪れるものですし、その時期は誰も予測することができません。

では、どう考えればいいでしょうか。四角形の高さ(保障額)は、「国の保険では不足する生活に必要なおカネ」で算出します。したがって、適切な保険を考える場合、まず、万が一のときの「国からの保険」(社会保険給付)がいくらなのかを見積もる必要があります。

もし30歳の妻とゼロ歳の子を残し夫が死亡したら?

契約当時のAさんご夫婦の家庭の事情を振り返ってみましょう。会社員の男性が亡くなった場合、配偶者のB子さんには終身にわたって比較的手厚い国の保険である遺族年金が国から支給されます。

具体的には、まず18歳未満の子どもに対して、遺族基礎年金が年間約100万円支給されます。現在子どもは8歳ですが、契約当時はゼロ歳でしたから、もし夫が亡くなれば、18歳になるまでに合計1800万円の遺族基礎年金が受給可能だったということです。

子どもが18歳になり遺族基礎年金が終了すると、引き続き妻に対し中高齢寡婦加算が年間約60万円、65歳になるまで支給されます。子どもが生まれたとき妻は30歳でしたから、高校卒業時は48歳ですから、65歳までの17年間の合計受取額は60万円×17年=1020万円です。また妻は一生涯にわたり遺族厚生年金が受給できます(実際は夫のねんきん定期便から遺族厚生年金を試算しますが、今回のケースでは、夫のそれまでの平均給与が35万円と仮定して計算します)。

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