会社を潰す社長の「ダメな口ぐせ」ワースト5 会社の未来は「経営者の言葉」ですぐ分かる

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中小企業の人材育成では、「回数(量)」がものを言う。たくさんのことを教えるよりも、1つのことを繰り返し教えることが大切です。社員から、「また同じことを言っている」といわれている社長は、一流の社長です。

ダメな口ぐせ⑤「社長の力量は、人間力で決まる」

『絶対会社を潰さない社長の口ぐせ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

最近は「親の仕事を継ぎたくない」という人が増えて、中小企業がどんどん減ってきています。先日、私のところにもこんな相談がありました。「親父が『家業を継げ』と言ってきたが、その気はない。親の仕事を継がないで済む方法はないだろうか……?」。

私は「簡単な方法がある」と答え、断り方を伝授しました。どんな方法だと思いますか?

「父親に会社の決算書を見せてもらう」という方法です。「決算書」は、「社長の通信簿」です。

決算書には、経常利益と収益力、売上高と経費のバランス、内部留保と資金繰りなど、会社の実態が「数字」で見える化されています。つまり、社長がどのような経営をしているのかが数字に集約されている。社長の力量は人間力などではなく、決算書でわかるのです。

「通信簿の成績が悪い(業績が悪い)」社長は、決算書を見せたがりません。だから、「見せないなら継がない。成績が悪ければ継がない」と言えばいい。会社の業績がよければ、息子から「会社を継がせてほしい」と言う。

結果的に、息子は、会社を継ぐことになりました。といっても、父親の成績がよかったからではありません。「決算書を見せるから社長になれ」と切り返した父親は、決算書を見せただけでなく、息子が絶対に逃げられないように手を打ちました。社長になるとき、家を1軒プレゼントした。銀行から借入をする際、息子に自宅の借入と会社の借入にハンコを押させ、保証人に仕立てた。

会社の保証人にもなった息子は、覚悟を決めてやらざるをえません。父親のほうが一枚上手で、息子はツメが甘かった。タネ明かしをすると、父親に入れ知恵をしたのも、実は私だったのですが……。

新規の銀行から、「決算書を3期分見せてください」「関連会社の決算書も見せてください」と言われたら、「貸す気がある」ということです。なぜ「3期分」なのかというと、不正を見逃さないためです。会社は、1期2期なら数字をごまかすことができても、3期連続で粉飾決算するのは難しい。ですから、3期分の決算書を分析すれば、人間力といったあやふやなのでなく、その会社の実態(=社長の実力)がわかるのです。

小山 昇 武蔵野 社長

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こやま のぼる / Noboru Koyama

1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービスマーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。一時期、独立して株式会社ベリーを経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰。1989年より社長に就任して現在に至る。2001年から同社の経営の仕組みを紹介する「経営サポート事業」を展開。全国各地で年間240回の講演・セミナーを開催している。1999年度「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」をそれぞれ受賞。2000年、2010年には「日本経営品質賞」を受賞している。著書多数。

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