中国"バブル世代"は苦労知らずの楽観主義者 一方で祖先や家族に対する義務も重視
「自分の仕事には関係ないので、政治はどうでもいい」と、成都のインテリアデザイナーZheng Yueさん(27)は言う。「それに、政治的な問題は私には解決できない。強い関心があったとしても、役に立たない。何も変えられないのだから」
ネット検閲など、政治が日常生活に入り込む場合には、彼らはいつも迂回路をみつけ、好きなテレビ番組を見たり、関心のあるニュース記事を入手したりしている。
習主席は、巨大な社会・経済課題に直面しており、政府支配の縮小ではなく、拡大が国にとって必要だとの考えを明確にしている。
だがもし、物事が思わぬ方向に逸れたり、中国の「物語」が変容したり、多くのエコノミストが不可避と考えている経済減速が起きたらどうなるのか。大きな壁にぶつかったら、何が起きるのだろうか。
「若い中国人は、1950代や60年代のアメリカの若者と同様に、乗り越えるのがほとんど不可能なジェネレーションギャップと、巨大な楽観主義を抱えているようだ」と、北京大学・光華管理学院のマイケル・ペティス教授は言う。
だが若者は、親世代からのアドバイスや経験にもかかわわらず、将来のショックに対する心構えができていないだろう、と付け加えた。
将来のことは全く何も心配していない
Wuさんにそう告げてみた。上海から内陸に700キロ離れた湖北省の省都武漢で生まれ育った彼女は、「2012年組」の象徴的な面を多く備えている。
思ったことをはっきり口にする性格で明るい彼女は、大学卒業後、英語の学士号だけでは自分の目標実現に不十分だと感じ、大学院で会計の修士号を取得。今は、外資銀行の国際決済部門で働いている。
彼女自身はまだ不動産を購入していないが、最近母親に、開発中の「ケンブリッジ・シティ」にあるアパートを貯金で購入するよう説得した。アパートは建設中の地下鉄駅の隣にあり、数年で転売する計画だ。
「住宅価格の上昇は、銀行の定期預金金利よりもずっと大きい」と、Wuさんは言う。「値下がりすることはないし」
Wuさんは、雇用の安定についても心配していないようだ。
「自分の人生では、将来のことは全く何も心配していない。変化を恐れていない」と、彼女は言う。「もし、大きな経済危機が起きて、金融セクターが不況になれば、私は英語の先生でもやる」
(John Ruwitch Anita Li 翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)
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