やはりトランプは強運の持ち主かもしれない

ハリウッドスキャンダルを「深読み」してみた

ともかく、ハリウッドスキャンダルにFBIが捜査に乗り出すということは、その捜査を通じて、これまで見て見ぬふりをしてきたハリウッドやメディア関係者の目を覚まさせ、捜査の広がりや掘り下げによって、メディア報道そのものがバージョンアップ、シェイプアップする可能性がある。

というのは、ハリウッド業界でも、メディア界でも、関係者がFBIの尋問に対して、でたらめなことを言えば、その時点で連邦犯罪が成立するからだ。これまでの情緒的な「トランプたたき」一辺倒が、もっと骨太の論理的なものに修正されるかもしれない。

「第3次世界大戦への道」発言を批判した人物

2つ目の北朝鮮をめぐる感情的な対立とは、上院外交委員長のボブ・コーカー共和党議員とトランプ大統領とのツイッターでのやり取りだ。それがきっかけになって、議会での感情的な戦争論に発展しかねないリスクがある。そのリスクを回避させるような反論が意外な人物から発せられた。

コーカー議員は、来年の中間選挙には出馬しないと表明した。その前後にトランプ大統領との間で感情的ないさかいがあった。ハリウッドスキャンダルを暴いたニューヨーク・タイムズ紙は、10月9日、コーカー議員のインタビューを掲載した。

そのインタビューのなかで、コーカー議員は「トランプ氏は大統領の仕事をリアリティショーのように進めている」と揶揄し、北朝鮮に対する分別のない威嚇は「第3次世界大戦への道に導くおそれがある」と警告した。この発言は、上院外交委員長としての発言であり、ただごとではない。

この発言を批判して、コーカー議員はすぐ辞めるべきだと公言した論客はほかでもないスティーブン・バノン前首席戦略官・上級顧問だった。トランプ大統領に、事実上、更迭されたバノン氏は、つい最近行われた講演で、コーカー議員の「第3次世界大戦への道」発言は、極めて感情的であり、捨て置けないと論難したのだ。

米議会や米メディアには、「プリベンティブウオー(予防的戦争)」という考え方がある。たとえ戦争になっても、それを米本土以外の日韓を含む極東や、アジアの一部地域だけの限定的な戦争にとどめるという考え方だ。ウォール街を含む東海岸と比べると、米ソ冷戦時代から核・ミサイルの脅威が実感として薄かった米西海岸が支配する多くの米メディアにも、いまだにその考え方が根強い。

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