神鋼社長、改ざんで時価総額4割消滅の「弁明」 看板の線材製品にも拡大、出荷先は約500社

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――不正案件は今後増える可能性があるのか。調査の現状は。

川崎会長兼社長:10月12日に経済産業省から、「これ以上の不正事案がないか早期に調査して完了すること」と言われた。全事業部門で調査中だ。アルミ・銅事業ではデータと現物との照合を終えたが、その中で発覚したのが今回発表した追加の案件だ。

鉄鋼、機械、電力事業でも調査を実施中。鉄鋼事業では製品の入れ替わりがあり、3カ月で1サイクルだ。それを4サイクル、1年の期間で調査・検証している。経産省の指示通りに、早期完了を意識して調査したい。

会見は1時間半近くに及んだが、資料配付に時間がかかるなど不手際が目立った(撮影:大澤誠)

――10月8日の発表時には、不正品の売上高に占める割合は4%だった。今回追加発表したものを含めると、割合はどれくらいになるか。

川崎氏:今回の追加分を含めても(4%という数字は)ほとんど変わらないと思う。

勝川四志彦常務:(4%という数字から)大きな変化はない。ただ、不正件数は多いので、深く反省している。また、これからの調査で変動することは理解してほしい。

「隠したのではない」

――今回公表した9件のうち鉄鋼の4件は「問題を解決済み」としているが、これらは不正があったことを知りながら隠していたということか。

川崎氏:隠したのではない。4件は、神戸製鋼のコンプライアンス委員会、そして取締役会で取り上げられた。損益への影響や法令違反かという観点から判断してこれまで公表しなかった。

今回なぜ公表したのかと言えば、それは今回の一連の不適切な行為の原因を考えると、現在進行中のものだけで分析するのは不足だと考えたためだ。アルミ・銅だけでなく、鉄鋼でも不正が出た。(過去の分まで考えることは)避けて通れないものだと考えた。

――一連の不正行為は取締役会に報告があったというが、その時に公表義務があるのではないか。なぜいま、公表するのか。

勝川氏:このケースは、会社の管理ミスだ。金額的な意味も含めて、社内では管理ミスということに大きな問題提起はしなかった。むしろ、その管理ミスがわかった時点でなぜ改善を図らなかったということを悪質だと判断して、われわれのコンプライアンス委員会にかけた。

――神戸製鋼の企業風土や不正が発生する背景について聞きたい。

川崎氏:なぜ今回のようなことが発生したのか、いま分析中だ。経産省の指示通り、1カ月以内でまとめる。ものづくり推進部に品質監査機能を持たせたが、それは機能したと思っている。機能して監査・自主点検をしたから今回の不正が出てきた。なぜもっと早くやらなかったかという思いはある。また、今回のように(グループ内で)広範囲に出たことが問題だ。これを分析したい。

ー―ものづくり推進部は2010年に設置されて7年が過ぎているが。

川崎氏:ものづくり推進部に品質監査機能を持たせたのは昨年だ。各製作現場の生産性を高めること、また若手社員の教育がこれまでの主体だった。昨年の不正事件を重く見て、本社に監査機能を持たせる必要があると考え、品質統括室を置いた。

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