墜ちた名門「神戸製鋼」、再編シナリオ急浮上 次々に発覚する品質データ改ざん

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現に今回、品質データ改ざんは他部門に広がっている。鉄粉やターゲット材のほか、鋼線でも再び改ざんが見つかった。会社の信用そのものに傷がついたことは間違いない。

JFEは再編に前向き

もともと神鋼は新日鉄住金やJFEホールディングスに比べ財務体質が脆弱だ。前2017年3月期は中国の建設機械事業で与信管理に失敗し、多額の貸倒引当金を追加計上したことで2期連続の最終赤字。今期は黒字転換の計画だが、それも一気に不透明化した。

今後、ハイテンやアルミ材などの戦略分野で成長を狙うなら、ライバル会社との継続的な開発投資競争に打ち勝つ必要があり、それには資金力が不可欠。だが、今のままでは劣勢挽回は危うい。

そこで浮上するのが新たな業界再編のシナリオだ。旧新日本製鉄が2012年に旧住友金属工業と統合し、2017年には日新製鋼を子会社化。残る高炉の再編候補はJFEと神鋼のみとなっている。

JFE側は「棒線(棒鋼・線材)やアルミ材が強い神鋼とは補完関係がある」(同社幹部)と前向きなスタンスを見せる。一方、神鋼は機械や電力事業も含む複合経営のまま、「独立独歩を続ける」(川崎博也会長兼社長)姿勢を崩さない。

だが、今回の偽装は神鋼の経営トップの責任問題へ発展する公算が大きい。1999年の総会屋利益供与、2006年の工場排煙データ改ざん、2009年の違法献金(社長辞任)も含め、不祥事を繰り返す企業体質の抜本的改革も必要だ。

その過程で、会社の解体・統合を含む再編策が経営の選択肢としてクローズアップされる可能性は十分ある。逆に、それだけの危機感を経営トップが持てるかが問われる。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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