ネット企業殺到、「AIスピーカー商戦」の行方 日本ではグーグルとLINEが先行しているが…

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日本でも開発に乗り出す企業が続々登場。AoGには、グルメサイト「食べログ」(カカクコム運営)、住宅情報サイト「SUUMO」(リクルート住まいカンパニー運営)、レシピ投稿サイト「楽天レシピ」(楽天運営)など大手の参画が際立つ。

アマゾンも、スキルのパートナーをすでに公表。ヤフーやクックパッドに加え、通信キャリアー、金融、鉄道など、非ネット系の大手企業の名がずらりと並ぶ。

こうした新たなプラットフォームへの早期参画のメリットは何か。楽天は「詳細なレシピを見るために自社サイトを訪問するユーザーを増やしたい」(同社)と、顧客との接点増を期待する。

音声AIは必須トレンド

アマゾンは「エコー」の派生品を数多く発売してきている。デジタル目覚まし時計のような「エコー・スポット」が最新製品だ(写真:Amazon)

デジタル領域のコンサルティング会社、プリンシプルの中村研太・常務取締役は、「音声アシスタントは、避けようのないトレンド。特にネット企業は、この技術の活用抜きに生き残ることは難しい」と指摘する。カカクコムも、「グーグル以外のサービスにも積極的に取り組んでいきたい」(同社)と前のめりだ。

とはいえ、グーグルやアマゾンと、コンテンツ提供企業の関係がいつまでも良好とは限らない。「音声認識の域を出ない現在のAIが、学習効率の高い本格的なAIへと進化すれば、(グーグルやアマゾンなど)プラットフォーマーが直接、コンテンツを収集・評価・整備する領域で力を持ちやすくなる。これは、コンテンツ企業が最も恐れることだ」と前出の中村氏は言う。

AIスピーカーは、音声アシスタントに触れる入り口の一つにすぎない。グーグルやアマゾンは、音声アシスタント搭載の商品群を広げている。新たな商機を狙い、プラットフォーマーに加え、コンテンツ提供者など多くの企業を巻き込んだ競争が加速しそうだ。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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