ネット企業殺到、「AIスピーカー商戦」の行方 日本ではグーグルとLINEが先行しているが…

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英語で開発が始まったグーグルアシスタントの日本語対応において、ハードルとなったのは大きく2つ。1つは、日本語が文脈に依存していること。「主語がなかったり、省略した言い方が多く、それらをクリアにするのは大変だった」(徳生氏)。

もう1つが、抑揚だ。「通常人間が発声しないようなものはなくなってきたが、固有名詞の抑揚が課題。ただ音はデータなので、学習し改善していく」(同)。

グーグルは音声認識で一日の長

スマホでの音声検索で実績があるグーグルは、応答の精度に一日の長がある。米コンサルティング会社ストーンテンプルによれば、グーグルアシスタントに英語で質問した場合、応答した比率は68%、そのうち正しい返答は90%を超えた。一方、アマゾンがエコーに搭載している音声アシスタント「アレクサ」は応答率が20%にとどまる。

グーグルホームとテレビを接続する設定をしておけば、ユーチューブやネットフリックスなどの動画の再生を声だけで指示できる(撮影:今井康一)

グーグルの強みは、カレンダー、マップ、翻訳、ユーチューブなど、使える自社サービスの幅広さにもある。多くのユーザーが使うことで、データが集まり、AIの精度も高められる。「現時点で潜在力があるのは、アマゾンよりグーグルだ」と、米シリコンバレーのベンチャーキャピタル、スクラムベンチャーズの宮田拓弥代表は評価する。

自社サービスと音声アシスタントをつなぐのは、LINEも同様だ。ニュースや音楽の配信、そしてLINEでのやりとりも可能。同社の舛田淳取締役は「日本の住環境に最も適したものを造れる」と、日本を拠点とする長所を強調する。だが、「規模や技術的な蓄積を考えると、他社より優位に立つのは容易ではない」(前出の宮田氏)との声もある。

今後、AIスピーカーや音声アシスタントの競争優位性を左右しそうなのが、外部の開発者が手掛ける付加サービスだ。スマホにおけるアプリともいえ、アマゾンは「スキル」、グーグルは「アクションズ・オン・グーグル(AoG)」という名前で対応サービスの拡充を急ぐ。すでに米国ではタクシーを呼んだり、出前を頼んだりすることが可能だ。

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