星野リゾートが「大塚駅北口」に進出する真意 新ブランド「OMO」が担う都市観光戦略とは?
今回、星野氏は旭川のスタッフに「旅のテンションを上げる都市観光ホテル」をテーマにコンセプトの再構築を依頼。結果出てきたのは「ホテルを中心に半径500歩内の店と共同し、ホテルを1つのリゾートのように運営する」(同氏)というプランだ。
いわゆるプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの分析手法を使って、成長は見込めなくても儲かっている(カネのなる木の)法人宴会や婚礼で稼いだ資金を、収益性は低くても成長が見込める(問題児の)宿泊に回し、街場の飲食店に顧客を奪われているレストラン(負け犬)を縮小するという結論だった。
新ブランドは「OMO」に決定
リゾートホテルの「リゾナーレ」、温泉旅館「界」(かい)、そして高級宿泊施設「星のや」に続く、第4のブランドとして、都市観光の拠点となるホテルを「OMO」(おも)と命名した。
名称の由来について星野氏は「スタッフに聞いても、候補が多すぎて覚えてない。海外の方にも覚えやすく、商標権を取れる名称だった」と笑い飛ばす。広報担当者によると「面白い」や「趣がある」といったニュアンスを込めているようだ。
旭川グランドホテルは、2018年4月28日に「星野リゾート OMO7 旭川」(おもせぶん)とブランドを変える予定。今後、営業を続けながら1階のロビーや客室を改装する。一方、地元ならではの観光スポットやレストランの情報を国内外の観光客に発信するなど、戦略を大胆に転換させる方針だ。
2018年5月には冒頭の東京・大塚に「OMO5」(おもふぁいぶ)を開業する。こちらは旭川とは違い、新築で運営を受託する。詳細は明らかになっていないが、200室規模のホテルになりそうだ。開発計画中の大阪・新今宮の大型ホテルも「OMO」ブランドにする方針だ。
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