外食大手が昭和レトロ「横丁」を手掛けるワケ コロワイドや大庄などが次々と開業している

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「みたかドラム缶横丁」の店内。手書きメニューがぶら下がっている(記者撮影)

これら新業態の店を横丁形式に集めた店も出店した。2016年6月、横丁1号店となる「旭日食肉横丁」を東京・立川に出店、同年11月には「みたかドラム缶横丁」を東京・三鷹に出店した。それぞれ、横丁出店前は単一業態で営業していた立地だ。

たとえば三鷹の横丁は「日本海庄や」からの転換だ。日本海庄や時代と比べ、宴会需要がなくなったため客単価は下がったが、客数が増えたため売上高は転換前比2~3割増で推移しているという。10月初旬には肉業態ばかり5つを集めた「新宿名店横丁」を開業した。

訪日観光客の取り込みも

「みたかドラム缶横丁」にある羊肉店。内装がレトロ(記者撮影)

たこ焼き店「築地銀だこ」などを展開するホットランドも横丁業態に取り組んでいる。10月11日、常設の横丁業態としては初めてとなる「浅草 三ちゃん横丁」を東京・浅草にオープンする。

鉄板焼、もつ焼、天ぷらなど4つの新業態を集めた。東京五輪が開催される2020年に向けて、訪日観光客も取り込んでいきたい考えだ。過去に東京の浜松町、五反田で営業していた「築地銀だこ ハイボール横丁」では、既存業態に比べ客のリピート率が高かったという。

これまで業界では、苦戦の目立つ総合居酒屋を専門性の高い業態へ転換する動きが活発だった。今後はこうした専門業態を複数組み合わせた横丁形式の出店も、新たな選択肢となりそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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