「ネット終活」で東証1部昇格、鎌倉新書の挑戦 楽天の元役員を新社長に招聘、成長を加速へ

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バイバーの会長として、同社が拠点を置くイスラエルに赴任していた際、相木氏は現地の独特な死生観に触れたという。「生死という人間の根幹にかかわるビジネスを手掛けたい」。そう思った同氏は、自ら清水氏にアプローチしたという。

楽天でネットコンテンツビジネスの最前線に身を置いていた相木氏の目には、終活ビジネスや鎌倉新書という企業がどのように映っているのか。

「人口動態でみると死亡者数は2040年まで増加していく。ネットで葬儀の手配やお墓探しをするのが当たり前になる。顧客獲得コストを抑えたい業者側としても、ネットを活用したマーケティングを加速させたいだろう」と、相木氏は事業のポテンシャルの高さを強調する。

競合がいるようでいない、ユニークさ

鎌倉新書では「自分史」の書籍制作など、新たな事業領域にも参入し、生前からの顧客との接点を増やしている(撮影:編集部)

葬儀分野の競合には、ネットで集客し格安の葬儀を提供する「小さなお葬式」(運営会社ユニクエスト・オンライン)、「シンプルなお葬式」(運営会社みんれび)などがある。

だが顧客と事業者をマッチングさせ手数料を得る鎌倉新書とはビジネスモデルが異なる。鎌倉新書と同様のサービスを一定の事業規模で展開する会社は、今のところ見当たらない。それだけユニークな存在なのだ。

さらに鎌倉新書は、事業領域の拡大を目指す。主力の葬儀、墓、仏壇は、いずれも亡くなったときに必要となるものだ。そこで生前段階から顧客との接点を増やし、より多くのニーズをすくい上げたい考えだ。

すでに「遺産相続」「遺品整理」「介護・看取り」などのサイトを立ち上げた。お別れ会・偲ぶ会の開催や自分史の書籍制作を請け負う「ストーリー」事業も開始。信託など金融事業への参入も視野に入れる。

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