「ネット終活」で東証1部昇格、鎌倉新書の挑戦 楽天の元役員を新社長に招聘、成長を加速へ

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鎌倉新書が展開する主力ポータルサイトの「いい葬儀」、「いいお墓」、「いい仏壇」(写真:各ウェブサイトより)

高齢化の進展で関心が高まる「終活」。これにインターネットを組み合わせることで独自の事業領域を開拓した企業がある。今年7月に東証マザーズから1部上場へ昇格を果たした、鎌倉新書だ。

鎌倉新書は1984年に仏壇仏具業界向け書籍の出版社として創業。2000年にネットビジネスへと進出し、「いい葬儀」「いいお墓」「いい仏壇」という3つのポータルサイトを主力事業としている。

全国で3000弱の斎場、7500以上の墓地・霊園、8000以上の仏壇店と取引があり、各ウェブサイトで集客して事業者に紹介、成約した段階で事業者から手数料収入を得るビジネスモデルだ。2014年にはヤフーと提携し、終活のポータルサイト「Yahoo!エンディング」を共同運営している。

今期も2割強の成長が続く

現在はネット事業で大半を稼ぐが、葬祭・墓・仏壇のビジネス誌である月刊『仏事』など、出版事業も健在だ。2015年に東証マザーズへ上場し、その後も右肩上がりの成長を持続させ、1部昇格を実現した。2017年1月期は売上高13億円、営業利益3.2億円となり、今2018年1月期も、共に2割強の成長が続く見込みだ。

今年9月に就任したばかりの相木孝仁社長は、楽天でデジタルコンテンツビジネスを手掛けてきた(撮影:尾形文繁)

ネット事業を立ち上げ成長させてきたのが、創業者の父から経営を受け継いだ清水祐孝氏だ。今回、新たな成長ステージへと進むためにマネジメントを強化するべく、社長交代を決断。外部から招聘した相木孝仁氏が9月に社長に就任し、清水氏は会長になった。

新社長の相木氏は、外資系コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーなどを経て楽天に入社し、常務執行役員としてデジタルコンテンツ事業を統括してきた経歴の持ち主。楽天では通信会社のフュージョン・コミュニケーションズ(現・楽天コミュニケーションズ)の立て直しをはじめ、買収したKobo(電子書籍)やバイバー(メッセージングアプリ)など数々のコンテンツ事業を手掛けてきた。

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