たとえば、「カメラさん、これでいいんですよね?」と話しかけていたり、数日前に髪を切ったとTwitterで言っていたのに、今日アップされた動画では髪が長いままだったり。初心者のはずなのに、妙にクオリティの高い編集がされていたり。
そんな動画を見ると、「あー、スタッフが動画を作ってるんだ。それに、いつ撮ったものを公開しているんだろう? 事務所チェックを待っていたのかな?」なんて思ってしまいます。まるで、ファンクラブで配信している動画コンテンツを見ている気分になるのです。
こういう動画だと、ファン以外の人がわざわざ見ようとは思わないので、視聴回数は伸びません。利用者が多いYouTubeでは、自分のファン以外に向けて発信するほうがバズるのです!
また、どこか芸能人らしさが残ってしまう点も、リアルさが求められるYouTubeでは受け入れられない要因の1つかもしれません。
たとえば、すっぴんからメイクの過程を紹介する動画。
芸能人の場合、すっぴんといってもベースは塗っていたり、髪はセットされていたりすることが多いのですが、メイク動画で人気のユーチューバー「足の裏から人間になるには」さんは、メイク前は寝起きのような髪の乱れ具合や、明らかにすっぴんとわかる肌や目の状態。ご本人曰く「足の裏のような顔」から人間になるべく、メイクで別人のように変身していく。このリアルさに視聴者は共感し、まねしたいと思うのです。
逆に、「芸能人なのに、こんな面も見せてくれるんだ!」と思うような動画を公開しているNMB48の吉田朱里さんは、ユーチューバーとしても大成功しています。
「自分の力だけで作っている」という親近感
YouTubeで何よりも大事なのは、「自分の力だけで作っている」という親近感。完成度の高さは必要ない。むしろ、素人っぽい見た目や編集のほうがYouTubeの視聴者層には受け入れられやすいのです。
私は元アイドルということもあり、芸能人として認知されていましたが、YouTubeではあえて芸能人に見えないよう、服装や髪型、テロップの入れ方などの編集には気をつけました。