解散総選挙後に予想される「4つのシナリオ」 「北朝鮮リスク」が急速に高まるのは12月か

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(4)大波乱シナリオ:自民党が下野。希望+民進+維新+公明連立により小池首相就任

小池さんは今のところ都知事を辞めないと言っている。とはいうものの、最終判断は10月5日の都議会閉会時に下すだろう。小池人気がいつまでも続かないことは、彼女自身がいちばん意識しているはず。だとしたら、勝負をかけるのは早いうちの方がいい。「あら、橋下さん、あなた代わりに都知事をやってくださらない?」てなこともあるかもしれませんぞ。確率は5%としておこう。
  
 この場合、アベノミクス終了を受けて市場では円高、株安が進行するだろう。ただし参院は242議席中自民党が126議席と単独過半数である。まことに残念なことに、この「ねじれ国会」は2019年7月の次の参院選まで解消しない。懐かしや「決められない政治」がわが国に戻ってくることになりそうだ。

北東アジアで地政学リスクが高まるのは12月

選挙後の政治日程についても簡単に触れておこう。10月22日に衆院選の投開票が行われると、約1週間後に特別国会が召集される。そして首班指名、新内閣の発足の運びとなる。11月4日にはトランプ大統領が訪日することになっていて、安倍首相としてはそれまでにピッタリ日程を合わせられると踏んでいたのであろう。が、一寸先は闇。トランプ大統領は大好きなシンゾーとゴルフができないかもしれないのだ。

もう一点。10月18日から中国共産党大会が行われる。これが終わると、第2期習近平体制が発足することになる。そこへトランプ大統領の訪中があり、APEC、東アジアサミットなどの外交シーズンが到来する。米中首脳は会談を重ねることになるだろう。北朝鮮問題で動きがあるとしたら、その後ということになる。北東アジアで地政学リスクが高まるのは12月と予言しておこう。

○今後の政治日程
9月28日(金) 衆院解散
10月5日(木) 都議会が閉会→小池都知事の辞任&衆院出馬?
10月10日(火) 衆院選告示
10月18日(水) 中国共産党大会始まる
10月22日(日) 投開票日
10月30日(月)頃 特別会招集
→首班指名→組閣など一連の手続き
11月4-6日 トランプ大統領訪日
11月10-11日 APEC首脳会議(ベトナム、ダナン)
11月14日 東アジアサミット(フィリピン、パンパンガ州)

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