電動のスポーツバイクが続々と登場するワケ 欧州No.1サプライヤーは日本を攻略できるか
トレックはボッシュ製ユニットの供給を受けて欧米でEバイクを展開しているが、「日本でもスポーツEバイクが注目され始めた絶好のタイミング」(広報)として商品発売を決めた。第一弾となる新製品のクロスバイクは税込み23万0040円。「汗をかかずに通勤したい」という都市部の消費者が最大のターゲットだ。今後は日本市場向けにロードバイクやMTBといったよりスポーティーなEバイクの投入も視野に入れている。
迎え撃つ日本勢はどうか。実はこの数年、日本勢からもスポーツタイプの新製品投入が相次いでいる。電動アシスト自転車を1993年に世界で初めて発売したヤマハ発動機は、新スポーツブランド「YPJ」を2015年に発表。第一弾のロードバイクに続き、昨年発売したクロスバイクの「YPJ-C」はビギナーや女性の取り込みに成功し、販売は伸びているという。
パナソニックは電動アシストのMTB「XM1」を9月に発売した。税込み35万6400円と国内メーカーが販売する電動アシスト自転車では最も値段が高いモデルだ。
街乗りからから本格的なオフロードまで幅広く走れると触れ込む。「想定以上の注文が入り販売好調」(同社)だという。同社は電動アシスト自転車に占めるスポーツタイプの国内販売比率を2016年度の2%から2020年度メドに10%に引き上げたい考えだ。
普及には一般消費者の認知度向上がカギ
欧州のように日本でも「Eバイク」のブームは来るのか。電動アシスト自転車専門店の代官山モトベロではスポーツタイプの販売がこの数年で急拡大しているという。上総敏昭店長は「Eバイク市場が拡大するかは商品のデザインや品ぞろえに加えて、どれだけ一般消費者の認知度を上げられるかにかかっている」と話す。
欧州は元々自転車の盛んな地域だが、Eバイクの登場で従来の自転車に比べて乗る時間が2~3倍になったり、スポーツとしてサイクリングをあらたに始める人が増えたりと、Eバイクはいまや新しいライフスタイルの一つになっている。ママチャリが席巻している日本では自転車のデザインもどこか画一的だ。オシャレでかっこいい「Eバイク」が広がり出すと、自転車カルチャーが変わるかもしれない。
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