駅の「自動券売機」、実は凄い進化をしていた 外国人向け「路線図から買える」タイプも普及

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この券売機をつくったのは、鉄道信号や券売機などの大手メーカーである日本信号である。

初期画面は英語表示。日本語・英語を含む8言語に対応している(筆者撮影)

「押し間違いがないように、いままでの券売機は反応を受けるスピードを落としていた。しかし、いまはスマートフォンやタブレットPCなどで使う側も画面を触ることに慣れてきた。そんな中で、処理を早くしようと工夫をした」と、同社営業本部AFC事業部AFC営業部長の渡邉聡さんはいう。実際、操作した感覚はタブレットPCに近い。

新型の券売機は「機械自体の性能も上がり、スペックも向上している」と渡邊さん。それが形になったのが、美しい表示を実現した新型の券売機だ。ただし、技術最優先というわけではない。渡邊さんは「サービス向上を考えてこの券売機の形にした」と話す。「開発する側の考えと(実際につくられた)券売機が、利用者の考え方に沿ったものになるように」というのが、券売機のつくり手たちの願いなのだ。

「他の鉄道でも使ってほしい」

この券売機は展示会などでも紹介されており、その使いやすさで「いままでの券売機とは違う」との評判が寄せられるという。渡邉さんは「高齢化によってわかりやすい案内をしなければならなくなった。次世代券売機とは別に、機能をしぼった券売機も必要。世の中の背景を見つつ、これからの券売機をつくります」と意気込む。

東京都交通局の大塚さんは、この券売機について「他社でも使ってほしい」という。「どこの鉄道会社でも使い勝手が一緒というのが理想だから」だ。

券売機にはさまざまなニーズがあるが、交通系ICカードへのチャージ専用機があるように、ハイスペックであるだけではなくシンプルな券売機も必要だ。そういったニーズを考えつつ、鉄道事業者もメーカーも使いやすい券売機を提供してほしい。

小林 拓矢 フリーライター

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こばやし たくや / Takuya Kobayashi

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。著書は『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。また ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に執筆参加。

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