駅の「自動券売機」、実は凄い進化をしていた 外国人向け「路線図から買える」タイプも普及
この券売機は、都営地下鉄では外国人利用者の多い31駅に導入されている。路線図から目的地を選べるなどの新たな機能を備えた大画面の券売機は、どのような狙いで開発されたのだろうか。
東京都交通局の電車部鉄軌道事業企画専門課長、大塚淳さんは、大画面化について「券売機の上(にある路線図)を見なくても買えるように、路線図を入れてしまおうという発想」と説明する。「これまでの15インチの画面では、求められる条件に対しては画面が小さすぎた。訪日外国人や不慣れな人が迷わずに切符を買うにはどうしたらいいかを考え、32インチの大画面にした」のだという。
最初からこの大きさを考えていたわけではなく、違う案もあった。「20インチでスマートフォンのように画面を動かすというのもやってみたが(画面上の)どこにいるかわかりにくかった。より使いやすくということを考えると、この大きさがベストということになった」という。
対応言語はさらに増やせる
券売機の初期画面は英語。これは訪日外国人を意識してのことだ。しかしいまや、日本にはさまざまな国や地域の外国人が来るようになった。現在対応しているのは8言語だが、「さらに言語を加えてほしいという声があれば増やせる」と大塚さん。メーカーによると16言語まで表示でき、「翻訳を埋め込むことで言語の追加ができるようにしている」とのことだ。
この券売機では、都営地下鉄、都営・東京メトロの連絡乗車券のほか、「都営まるごときっぷ」などのお得な乗車券の購入、ICカードのチャージができる。大きな画面で多言語に対応していることなどを考えると、もっと機能を増やすこともできそうだが、大塚さんは「あまり機能を詰め込むのもどうかと思います。定期券の発券機能などは考えていません」と、その点については否定した。多機能化で複雑になるよりも、多くの人に使いやすい券売機であるべきということだろう。
ちなみに、券売機の多機能化や交通系ICカードの普及で券売機の台数は減っており、これまで設置していたスペースには空きができている。東京都交通局は、こういったスペースに「ハンディガイド」や観光パンフレットを置いているという。券売機や運賃表だけでは伝えることのできない案内のために活用しているわけだ。
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