終活は50代で始めていいと言える3つの理由 自分も親も満足できる「ハッピー終活」とは?

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金融機関の口座についてもいえることですが、何事もシンプルにしておく、というのも終活のポイントです。

私は、いままで生命保険や医療保険に加入したことはありません。私が亡くなっても経済的に困る人はいませんし、医療費がかかっても高額療養費によって医療費の自己負担は一定額で済み、貯蓄から支払うことができると思うからです。

もちろん、保障が必要な方もいます。保険に加入しているなら、「どんなときに、どんな保障が得られるか」を家族と共有し、保険証券をわかるところに保管するなど、未請求にならないための準備をしておきましょう。請求できなければ保険に入っていても、意味がありません。

また死亡保険金は相続税対策になることも知っておきましょう。法定相続人1人につき500万円までは相続税がかからず、現金でおカネを遺すよりずっと有利です。相続税は重税化されてきており、特別な資産家でなくても相続税がかかるケースが増えています。基本的な知識を得て、効果的な相続税対策をしておくことも、大事な終活です。

「積極的な治療を望まない」という考え方

さらに、健康面について考え、身近な人に考えを話しておくことも大切です。

私はもし大きな病気になっても積極的な治療はしないことに決めています。そのため早期発見をしたいという想いは、あまりありません。人工呼吸器などの延命措置は拒否するつもりです。とはいえ、痛くてつらいのはいやなので(家族も見ているのがつらいと思う)、緩和ケアはお願いしたいと思っています。この考えは、事あるごとに家族に話しています。病状が進むと、延命措置をするかどうかなど、家族に判断が求められることがありますが、家族が本人の意思をしっかりと理解してくれていれば、迷ったり、苦しんだりすることも避けられるでしょう。

とても大切なことなので、身近な人と、しっかり話し合っていただきたいと思います。さまざまな経験をしたり、年齢を重ねたりすることで考えが変わってくることもあるので、機会をみつけて、何度でもお話しするとよいと思います。

葬儀もささやかな家族葬を望んでいて、仕事関係も含め、供花などは辞退するよう、家族に伝えています。誰に、どのタイミングで死去を知らせるかも考えてあり、近々、リスト化する予定です。

洋服や持ち物も、使ってもらえるものは差し上げ、喜ばれないものは処分し、かなり減らしました。しかしアクセサリーやバッグ、靴は好きな気持ちが勝ってしまい、処分できていません(苦笑)。「減らそう……」と思いながら、「無理かも……」とも思うので、「欲しい人がいたら差し上げて、残ったら業者さんに頼んで一気に処分」の方針です。

では、自分が要介護の身になったらどう暮らすか。それについても考えていますので、これは次回、お話ししたいと思います。

10月と11月に東京・大阪で計4回、井戸美枝さんが新刊の刊行記念セミナーを行います。参加ご希望の方、詳細についてはこちらをご覧ください。

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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