金利は管理相場下でのボックス圏の動き 市場動向を読む(債券・金利)

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絶対水準としての日本国債の金利の低下幅以上に、グローバル金利とのバランスという意味で金利低下圧力がより鮮明に見えたのが、8月の日本国債の市場であったと言えよう。グローバル金利の動きとこれほど乖離が生じているのには、日銀の長期債購入という需給要因に加えて、米国は金融緩和からの出口を目指し、対する日本はまだ金融緩和強化に踏み切ってわずか5カ月にすぎないという「金融政策の時間軸のずれ」も大きく影響している。

米国においても、今後1~2年内に政策金利が大幅に上昇するとの見方はないが、2年以上先といった時間軸でみると、利上げの織り込みはこの数カ月間で急速に進んできている。たとえば、スワップのフォワード金利で見ると、2年先の2年金利は4月に0.8%台だったものが現在はすでに2%を超えている。

同じ2年先の2年スワップ金利を日本について見てみると、黒田緩和導入直後に0.4%だったものが、国債市場の急落に連動して一時は0.6%程度まで上昇したものの、現在は再び0.4%台に戻ってきている。

つまり、日本の場合、1~2年というスパンにとどまらず、3年先、4年先というスパンにおいても、政策金利が上昇するとの期待はまだ非常に抑制されている状況である。これは、当然、より長いゾーンの金利の日米間格差拡大にもつながっている。

市場が想定する時間帯ではゼロ金利政策が続く

日銀も、いずれは現在のFRBが検討しているように資産購入を停止するときがやってくるはずである。しかし、少なくともその時期(資産購入停止の)が前倒しされるというセンチメントが出てこなければ、その先の政策金利引き上げのイメージは生じようがない。

「政策金利引き上げ時期は想定しうる範囲の時間帯ではまだやってこない」という市場のコンセンサスは、現状では非常に強固であるように思われる。そのコンセンサスが多少なりとも修正されてくるとすれば、ファンダメンタルズあるいは外部環境によほど大きな変化が訪れること、すなわち何らかのカタリストを必要とすることになるだろう。

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